No.13:コミュニティ・イニシアティブ特定・分析・支援メカニズムの開発

2017年1月5日

改訂O&ODは、地方自治体がコミュニティ・イニシアティブ(注1)(Community Initiatives: CIs)に着目し、それに対する適切な支援・促進に取り組むことを、タンザニアの地方行政の主流にすることを目指しています。
O&ODチームは、そのモデルを構築するため、地方自治体の計画・予算策定時期である2016年10月から12月にかけて、対象6県(注2)において、既存のCIsの情報を集め、分析する作業を支援しました。O&ODチームが開発したCI情報収集フォームを通じて、全ての村に存在するCIsの情報が各郡事務所を通じて県庁へ提出されました。これらフォームを自治体タスクフォース(注3)(District Taskforce: DTF)が1枚1枚議論し、CIs判別の基準である「住民の意欲及びオーナーシップ」と「組織の能力」に基づき、各CIを分析しました。
その後、分析された各CIsに対する県行政の適切な支援を議論しました。県行政は、「CIsプロジェクトを完成させるために財政支援を提供する」のではなく、「住民主導のCIsプロジェクトの完成を後押しするために、財政支援、技術支援及び精神的な支援(モラルサポート)を適切に組み合わせる」という方針のもと、住民の潜在的能力を重視した県行政の支援の在り方を議論しました。
議論を通じて、DTFは改めてCIsを支援することの意義及び有効性を理解するとともに、CIsの特定、分析、支援に係る能力が高まりました。
今後O&ODチームは、特定されたCIsに対する各対象県の支援の実施状況をモニタリングするとともに、特定されたCIsの進捗管理に関するDTFの能力強化を図っていきます。
また、コミュニティ・イニシアティブ特定・分析・支援メカニズムを、全自治体に対する実施ガイドとしてまとめ、2017年1月から開催されるタンザニア全地方自治体に対する「ゾーナルワークショップ」を通じて全国展開していきます。実施ガイドは、最終化され次第、本プロジェクトホームページの「資料集」にアップロードされる予定です。

(注1)住民が自発的且つ主体的に意思決定と実施プロセスに参加をしている開発活動を指します。
(注2)バガモヨ、チャリンゼ、キサラウェ、モロゴロ、キロンベロ、ウランガ
(注3)選抜された県庁職員によって構成されるチーム。改良O&OD強化アプローチにおいて対象自治体内の中心的役割を担います。

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ウランガ県でのCIsの分析作業の様子

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バガモヨ県でのDTFとO&ODチームの議論の様子