No.23:改良O&ODの全国普及への布石:全国指導会議の実施

2020年4月1日

2018年から2年間、地方自治庁では、全国26州185県への改良O&OD普及に向けて準備を進めて参りました。ガイドライン等の内容策定に始まり、研修内容の再検討、効果的な改良O&ODの普及方法等を時間をかけて調査し、全国普及の日がいよいよ訪れることになりました。

2020年1月14日、キリマンジャロ州で全国指導会議スタートの音が響き渡りました。指導会議は、全国26州を回り、県行政長官や部局長、現場の最前線を疾走する職員も含めた精鋭8人を各県から招集し、4日間の研修を行う長丁場の旅です。全国185県をカバーするため、その旅の終了は5ヶ月後の2020年6月末を想定しています。

指導会議初日には、改良O&ODの概論を、特に県行政長官に対し打ち込みます。後日、長官から各自治体のマネジメント会議で各部局長に改良O&ODの本質を共有してもらい、自治体内における推進力を高めてもらうのが狙いです。一方2日目から4日目は、各部局長を中心としたメンバーが対象となります。コンセプトの理解に留まらず、県、郡、村レベルにおける現場でのガイドラインとマニュアルの使い方についても理解することが目標です。その為、会議中ロールプレイに割く時間も長く設け、少しでもガイドに慣れてもらう形式を設けています。

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タンガ州行政長官と州内県行政長官に対する個別セッション(2020年1月14日、モシ市内のキリマンジャロ州事務所)

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全体セッション(キリマンジャロ州事務所会議場)

キリマンジャロ州から始まった指導会議ですが、モロゴロ州のセッションでは地方自治庁のジャフォ大臣を迎え入れ、テレビ中継のカメラが騒がしい中、会議最終日に結びの言葉を頂戴しました。結びの言葉の中で、大臣は村の自助努力を協働的なスタイルで促進し見守ることの重要性を強調されました。

会議を実施しているうちに、講師役を務めるカウンターパートにも変化がありました。指導会議を重ねるごとに、彼らは自信をつけ、改良O&ODの内容に精通するようになりました。この態度の変化は、県職員へより効果的なメッセージを伝えるために論理的思考を深め、理解されやすい伝え方を探っていった証拠です。
自信に満ち溢れるチームメンバー達は、会議参加職員の態度にも良いインパクトを与えていきました。最初は注意散漫だった参加者も講師陣の熱気が乗りうつったかのように話を聞く態度が一変し、質問コーナーでは、チームメンバー達が一瞬答えにたじろぐ場面も見られるほどに議論は白熱し、本質的な質問も飛び交いました。

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声明発表をテレビ中継の中で行った、地方自治庁のジャフォ大臣を囲んで(大臣は前列の右から3番目)。(2020年2月6日、モロゴロ州のエデマ会議センター)

勿論、4日間の説明と演習だけでは各県が十分なほどに改良O&ODを咀嚼するには時間が足りませんでした。しかし、この指導会議は、今後の体験を通した学習プロセスにおいて、地方自治庁と各県庁との間での初めての濃密なタッチポイントとしての意義がありました。

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開場直前の会議場(2020年3月2日、アルーシャ州事務所)

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改良O&OD概論について説明する地方行政研修所のトレーナー(2020年3月3日、アルーシャ州事務所会議場)

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グループ討論。県計画について助言をするO&ODチームメンバー(左から2人目)(2020年3月6日、アルーシャ州事務所会議場)

2020年4月現在、全109県の内、76県が指導会議を通じて改良O&ODの理念と内容にふれています。現状、コロナウイルスの世界的な広がりにより、活動は一時停止していますが、状況が改善し次第、こちらの活動は再開する予定です。

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全体会議の様子(シニャンガ州事務所)

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優れた活動を行っている村事例を紹介しながら県のあるべき体制を説く講師。(2020年3月12日、キリマンジャロ州事務所会議場、モシ市)

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講師の発言に傾聴する参加者(2020年3月12日、キリマンジャロ州事務所会議場)

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グループ討論。村への支援策について可能性を模索する参加者(2020年3月13日、キリマンジャロ州事務所会議場)