プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)TOD都市開発能力強化支援プロジェクト
(英)Project for Transit Oriented Development(TOD)for Dar es Salaam

対象国名

タンザニア

署名日(実施合意)

2022年3月29日

協力期間

2022年6月27日から2025年5月30日

相手国機関名

高速交通公社(Dar Rapid Transit Agency:DART)

背景

タンザニアのダルエスサラーム市では、経済成長に伴う人口増加により、自家用車保有台数も増え、幹線道路では交通渋滞が問題となっています。そのため、同国政府は公共交通の利便性向上に向けたダルエスサラームでのバス高速輸送システム(BRT)の整備を進めています。このような状況の下、日本政府はダルエスサラーム都市交通マスタープラン(以下、「都市交通MP」)の改訂に協力し、その中で「公共交通指向型(TOD型)メガシティ」というコンセプトを掲げ、公共交通指向型開発(TOD)の考え方のもと、公共交通を中心とした持続可能な都市構造を提案しました。一方、ダルエスサラームの土地利用に関する上位計画は長期にわたって策定されていませんでしたが、2020年に「ダルエスサラーム市マスタープラン2016-2036」(以下、「都市MP」)が策定され、この都市MPは都市交通MPも内包されているものとして位置づけられ、ダルエスサラーム市の都市開発の方向性を示し、個別事業を進めていく上での基盤となっています。しかし、この都市MPでは、BRT沿線を中心としたTOD推進のアプローチは十分とは言えず、TODを進める拠点駅を特定し、優先順位やシナリオを決めるための沿線全体のTOD戦略を描き、今後も人口増加が見込まれるダルエスサラームの持続的な成長に重要な取り組みである沿線開発を促進して開発誘導していくことが鍵となっています。
この協力では、ダルエスラーム市のBRT沿線において、TODの戦略及びガイドライン、関係機関の調整メカニズムの整備を行うことにより、関係機関のTODの計画・実施に係る能力強化を図り、TODアプローチの促進に寄与します。

目標

上位目標

ダルエスサラーム市で公共交通指向型開発(TOD)アプローチが促進される。

プロジェクト目標

ダルエスラーム市のBRT沿線において、関係機関のTODの計画・実施に係る能力が強化される。

成果

1.TODの戦略が整備される。
2.TODのガイドラインが整備される。
3.TOD実施に向けた関係機関の調整メカニズム・方策が整備される。
4.TOD手法を用いた計画策定能力が向上する。

活動

1-1.既存の沿線開発戦略の内容を踏まえたBRT沿線別及びBRT沿線全体のTOD戦略を策定する
1-2.TOD戦略に沿ってBRT駅を選定し、駅周辺開発のコンセプトデザイン案を策定する(パイロット・プロジェクト)
1-3.関連ドナー・主要事業者等との調整を行い、TODの実施に必要な法的枠組、開発手法等の課題分析を行う
1-4.BRT駅周辺のフィーダーサービス等、多様な交通手段との交通結節性(コネクティビティ)からみた課題を分析する
1-5.BRT沿線のTOD戦略が適切に反映されるシステムを検討し、提言する
1-6.活動1-2で作成したコンセプトデザインを詳細計画(detailed plan)に反映する

2-1.BRTのサービス(利便性、安全性、快適性)から見た課題分析を行い、TODの実施方策を策定する
2-2.TOD手法を用いた都市計画・実施のためのガイドライン案を検討する
2-3.活動3-1~4-3の改善、教訓、提言を反映させたTOD手法による計画・実施のためのガイドラインを改訂する

3-1.TOD手法を用いた計画・実施のための関係者調整メカニズムを都市開発・都市交通の視点から検討し、関係者調整メカニズムに必要な法的枠組や実施体制を構築する
3-2.TODを実施する方策(開発計画立案手法、開発・整備手法のメカニズム、実施ツール)を検討し、成果2のガイドラインに反映する
3-3.TODを計画・実施する関係者調整メカニズムを運営する

4-1.実施機関、地区(municipalities)に対してキャパシティ・アセスメントを実施する
4-2.計画策定能力向上のための研修計画を策定し、研修を実施する
4-3.実施機関の職員に対して、活動4-2が自主的に行えるように指導者研修(TOT)を実施し、指導者が計画策定能力向上のための研修を実施する

投入

日本側投入

専門家派遣、研修員受入れ、機材供与

相手国側投入

カウンターパートの配置、案件実施のためのサービスや施設、現地経費の提供