ラオス・カンボジアの災害・救急医療能力開発ニーズ調査

2020年2月19日

2月11日~19日

ARCHプロジェクトの活動の1つである「ASEAN各国の災害医療における能力開発に関する調査」に関して、2月11日~19日にラオス・カンボジアの保健省・病院・医療系大学等を訪問、聞き取り調査を実施しました。

ARCHプロジェクトは2016年7月から災害時にASEAN各国が連携する枠組みを支援しており、これまでに地域調整委員会や地域連携ドリル、研修等多くの活動が実施されています。
2019年7月からの延長フェーズより、ASEAN各国の連携枠組み作りからASEAN各国の災害医療に関する人材育成、災害医療に関するASEANの学術ネットワークの構築にも重点を置き、「ASEAN各国の災害医療における能力開発に関する調査」は、ASEAN各国の災害医療に関する技術支援のニーズや、災害医療に関する学術ネットワークのコアとなる機関を特定することを目的に実施されています。
ASEAN地域全ての国にアンケート調査を実施し、ASEAN域内でも災害・救急医療の環境が整っていないとされるカンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナムを対象に現地調査を計画しました。

ラオス・カンボジアでは、保健省、大学、病院、NGOを訪問し、各機関が抱える課題、支援の受入れ状況などを確認しました。ラオス・カンボジアはASEAN域内では比較的災害の発生頻度が少ない国でしたが、これまでのARCHプロジェクトによる地域連携ドリルへの参加など災害医療を学ぶ機会が多いため、災害医療に関する学術ネットワークに興味を示すなど、災害対応への意識が高まっていました。

今回の調査ではプロジェクトチームの他、医療関係者がマレーシアから1名、タイからはラオス・カンボジアに1名ずつ参加しました。現地調査対象でないマレーシア・タイの医療関係者でしたが、自国の医療環境との違いを知ってもらう機会となり、参加者にとっても有意義な調査であったとのコメントを頂けました。

ミャンマー・ベトナムへの現地調査も控えており、ラオス・カンボジアの調査同様、調査対象外の国からも参加予定です。ASEAN各国の災害医療関係者同士が繋がっていく機会にもなっており、今後ASEAN各国同士での災害医療の議論が活発となっていくことも目指していきます。

【画像】

ラオス:Mittarphab病院での聞き取り調査の様子

【画像】

カンボジア:保健科学大学での聞き取り調査の様子

【画像】

ラオス:ビエンチャンレスキューでの集合写真