画像解析技術による交通量計測の検証を行っています。

2022年8月23日

本プロジェクトのパイロットプロジェクト対象地域では、以下の写真に示すようなVictory Monument Roundaboutと呼ばれる大規模な環状交差点が含まれています。このような大規模な環状交差点では、従来の交通調査手法で、車両がどの道路から流入し、どの道路に流出していたかを把握することは困難であり、詳細の交通量が把握できていませんでした。

本プロジェクトでは、画像解析技術を用いて、ビデオカメラで撮影された道路交通状況の画像から、流入路と流出路の組み合わせ別に、交通量を計測できるかどうか、試験的に検証を行っており、2022年4月の第13回プロジェクト定例会議において、その検証結果についての報告を行いました。具体的には、環状交差点沿いの建物の高層階から、交差点全体を映した映像を録画し、AI画像分析エンジンを使って交通流の分析を行いました。その結果、日中は車両の動きを検知することができましたが、夜間は難しいことがわかりました。本プロジェクトでは、画像解析技術で計測した交通量を、信号パラメーターの設定やATCシステムの効果検証に用いるため、日中の交通量のみを使用する予定です。

バンコク都には、道路監視カメラが数多く設置されており、現在は交通のモニタリングにしか活用されておりません。今回検証したような画像解析技術を活用することで、既存の監視カメラの画像の有効活用にもつながることが期待されており、それに向け、夜間の計測精度向上や精度に応じた活用方法の検討を行っていきます。

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プロジェクト定例会議の様子
(中央)交通局のThaiphat氏
(右側)JICA専門家

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高層階から録画したビデオ映像

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天候/昼夜別の車両検知と追跡状況

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JICA専門家による質問への回答