第1回パイロットプロジェクト(建設分野:ICT施工)現場見学会を開催!

2022年8月9日

本プロジェクトでは、GNSSの活用が期待される測量、建設、農業、自動車の自動運転の4分野でパイロットプロジェクトを実施中です。今回、このうち建設分野でのパイロットプロジェクトについてご紹介します。

6月22日(水)、建設分野(ICT施工)のパイロットプロジェクトとして選定された西尾レントオール(株)と(株)トプコンが、チャチュンサオ県サナムチャイケート郡にある工業省タイ工業規格局(TISI)の自動車・タイヤ検査研究イノベーション・センター(ATTRIC)の工事現場(施工者:THAI NIPPON ROAD Co.,Ltd.)において、NCDCの高精度測位データを活用したICT施工の見学会を開催しました。

タイでは高齢化による熟練技術者の減少が進んでおり、日本と同様にICT建機を使用した土木施工への期待が高まっております。

タイ側からは政府機関、チュラロンコン大学等の教育機関、民間企業が参加し、日本側からは在タイ日本国大使館、本邦企業からのを中心に複数機関の出席があり、合計で約100名が来場しました。

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デモンストレーションの様子

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会場に集まった参加者

現場見学会では、NCDCから配信された高精度測位データを活用したバックホウ(掘削機材)のマシンガイダンス、モーターグレーダ(整地機材)のマシンコントロール、アスファルトフィニッシャ(舗装機材)のマシンコントロールが実演されました。ICT施工の施策に関しては、日本の国土交通省が推進している「i-Construction」の紹介も行われました。

来賓あいさつでは、JICAタイ事務所の森田隆博所長より、電子基準点による高精度測位データを活用したビジネス活動の促進は、Thailand 4.0の実現の一つのカギになることへの期待が述べられました。また、西尾レントオール(株)の北山孝取締役からは、NCDCのデータを活用したICT施工の普及による労働者不足の解決や、建設施工の高品質化及び効率化の促進への期待が述べられました。
閉会挨拶では、チュラロンコン大学のChalermchon Satirapod教授より、「日本で練り上げられた手法によってタイ国のインフラ開発が一層促進されることを強く期待する」とのメッセージをいただいています。

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バックホウによる法面整形の実演

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モーターグレーダによる路床の整地作業の実演

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アスファルトフィニッシャによる舗装工事方法の紹介

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ICT建機の高さ補正に使用されるGNSS機器の実演

来場者からは、「実物を見ることができて理解が深まった」「電子基準点とICT施工は、これからのインフラ整備に重要な役割を果たすだろう」との声が聞かれました。

本パイロットプロジェクトでは、今後、農業分野、測量分野ならびに自動運転の分野においてのパイロット事業を実施し、引き続き高精度測位データの各分野への活用について検証するとともに、測位データのさらなる安定的かつ効果的な配信のための改善をすすめる予定です。

【画像】来場者による集合写真

今後、建設以外のパイロットプロジェクトの進捗についても順次報告予定です。
パイロット事業の目的や概要については、以下のプロジェクトニュースをご参照ください。

(注)「i-Construction」の施策の内容は以下のページから閲覧できます。