タイ側のカウンターパートやコンサルタントとの協議を、日々重ねています

2022年3月23日

本プロジェクトは、タイ側のカウンターパートである運輸省の鉄道局(Department Rail Transport, DRT)が、その委託を受けたコンサルタントチーム(DRTコンサルタント)とともに、バンコク首都圏都市鉄道新マスタープラン(M-MAP2)を策定することを支援することを目的としています。そのため、JICA専門家チーム自身が作業をすることよりも、日々、DRTやDRTコンサルタントと協議を行い、アドバイスをしていくことが求められています。

COVID-19の拡大による影響で渡航が自由にできない中で、オンラインを中心に議論をしてきていますが、現地へ渡航できる時期を活用し、DRTやDRTコンサルタントの対面での協議も行っています。2021年11月からは、タイ国の入国の隔離規制が緩和され、複数の専門家が現地入りをし、協議を重ねることが出来始めているところです。

現在、主にDRTやDRTコンサルタントとの協議を進めているものの一つが、人口の推計作業です。鉄道計画を策定する上では、各地区にどれくらいの人が住んでいるのか、その地区に、どれくらいの人が働きに、あるいは、学びに来ているのかを前提とした上で、各路線の乗客需要を推計することになります。日本では、各自治体の中の地区レベルまで人口や就業者、学生数の統計が整備されていますが、タイ国では、日本と異なり、人口統計が十分に整備されていないため、鉄道計画の最初のステップとして、各地区の現状の人口を推計することが必要となります。特に、就業者数や学生数は地区レベルの統計が存在しないことから、利用可能な数値を最大限活用した推計を行うことになります。これまで、何度もオンラインでの協議を重ねていましたが、今回、対面での協議を行うことで、改めて、必要な作業について理解を得ることができました。

COVID-19拡大後、様々なオンライン会議ツールが普及したことにより、遠隔でも頻繁な協議も可能になりましたが、やはり、細かな図面や数字の確認、作業手法の確認を行う上では、対面の方が遥かに効率的かつ効果的であり、現場での支援の大切さを、タイ側、日本側ともに、改めて認識いたしました。

限られた現地への渡航の機会を最大限に活用し、技術支援を行っていきたいと考えます。

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DRTとDRTコンサルタントとの協議

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DRTの他部局との意見交換