第1回M-MAP2 プラットフォーム会議が開催されました

2022年9月1日

2022年7月5日、M-MAP2 プラットフォームの第1回会議が、鉄道局(Department Rail Transport, DRT)主催の下、開催されました。

M-MAP2プラットフォームは、バンコク首都圏の鉄道ネットワーク整備に関係する主体が一堂に会し、鉄道政策に関する様々な論点を共有し、議論を行うことを目的に、JICAのアドバイスの元、2022年5月にDRTによって設立されました。具体的には、M-MAP2策定の前提となる将来のバンコク首都圏の都市像や、バスやバイクタクシー等他モードとの連携、鉄道事業の社会経済性とそれを踏まえた費用負担の在り方等、多岐にわたる議題が想定されています。

構成メンバーは多岐にわたり、本プロジェクトのJCCの構成メンバーである運輸省の関係諸機関だけでなく、鉄道整備財源を管轄する財務省の公的債務管理局、地域計画や都市計画を管轄する内務省の公共事業都市農村計画局、さらには、バンコク首都圏の県自治体が含まれます。また、これらの議論を専門的立場からアドバイスを受けることを目的に、タイ側と日本側の有識者も参加しています。

第1回会議では、上述の目的を共有した後に、「M-MAP2の政策課題」をテーマに、首都圏の鉄道整備を進める政策として、「輸送力(capacity)」「サービス範囲(coverage)」「結節性(connectivity)」「運賃低廉性(affordability)」「他交通機関との乗換/アクセス(intermodal & accessibility)」の5つの視点から、目指すべき方向とその評価方法について、DRTが発表を行い、関係機関と共に以下のような議論を行いました。

・輸送力については、短期的には、新規路線の拡充よりも、既存鉄道の輸送力強化が重要である。
・鉄道のネットワーク効果を高めるためには、ミッシングリンクをなくすことが大切である。さらに、鉄道だけでなく、バスやバイクタクシー等のフィーダーシステムの改善が優先される。
・乗用車やオートバイなど、私的交通手段を制限するような手段も検討すべきである。ただし、公共交通のサービス範囲を十分考慮する必要がある。
・駅へのアクセスについて、交通結節点整備が重要となる。また、800メートルを駅勢圏としているが、歩道の改善が不可欠である。
・地方自治体が検討している鉄道システムについても、考慮する必要がある。

今回のプラットフォームの議論を踏まえたうえで、M-MAP2の政策を設定し、それらの政策を評価のための需要予測モデルの構築、そのための交通調査の実施を進める予定です。

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DRT会議室

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関係機関の多くはオンラインで参加。