Son La省およびDien Bien省で在来豚の耳介皮膚サンプルの採取を行いました

2016年11月6日

10月20日〜11月6日

10月20日〜11月6日にかけて、プロジェクトのチームは、Son La省およびDien Bien省で在来豚の耳介皮膚サンプルの採取を実施しました。同地域は在来ブタ資源が豊富であると言われていますが、外来種との交配による在来ブタ資源の減少が心配されています。ベトナムでは一般的に、交通網が比較的発達して経済活動が活発な省では、外来種との交配によるハイブリッド(交雑)種の豚の生産が広く行われていますが、Son LaやDien Bien省のような山間地域では、外来種が厳しい自然環境に適応できないことから、少数民族により現在も在来豚が多く飼育されています。

10月30日〜11月4日、プロジェクトPMUのメンバーらは、プロジェクト・チームに同行し、Dien Bien省でのサンプリングの様子を視察しました。今回は、Dien Bien省と地区の動物衛生局のスタッフとともに、在来豚の多く飼育されている4地区を選びました。Muong Layには、脂身が少なく、繁殖能力が高い14の乳首をもつ優良な在来豚がいるとの情報があり、チームは早速Muong Layに向かいました。そこでは、タイ族と呼ばれる少数民族がごく限られたコミューンで在来豚を飼育していました。外見上(Phenotype)は、在来種と外来種が交雑したようなハイブリッド種にみえますが、遺伝子解析をしてみないと確実なところはわかりません。

今回3週間の探索調査では、Son La省およびDien Bien省の合計6地区にて130サンプルを採取しました。プロジェクト開始からこれまでに15省、1,455サンプルを収集しました。今年度中にさらに2省での探索調査を終える予定です。来年度は、7前後の省での探索調査を計画しています。採取した耳介皮膚サンプルからはDNAを抽出し、系統解析が進められています。同時にまた、ブタ固有のPERV(内在性レトロウイルス)未感染の豚を発掘すべく、遺伝子座位の同定も進めてられています。

(写真、文責:Dr. Nhu Van Thu、ベトナム側プロジェクト・コーディネータ)

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どの地区に多くの在来豚が存在するか、地図を見ながら地域の動物衛生局のスタッフと確認作業を行う。

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Dien Bien省の在来豚農家体長測定をおこなう。

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Dien Bien省、Muong Lay地区の在来豚(乳首が14あるそうです)