授乳期母豚に対する栄養改善によって哺育子豚の発育改善が確認されました

2018年8月17日

プロジェクトでは2016年4月から、ホアビン省ダバック地区カオソン・コミューンで在来豚を飼育する15モデル農家を対象に、子豚の早期離乳と疾病対策を通した母豚の生産性向上をめざして指導を行ってきました。開始から2年が経過したこのほど、2016年12月から2018年4月までにカオソン・コミューンのモデル農家で分娩し、子豚の発育測定ができた43腹について、その結果をまとめました。

西洋種の豚の栄養生理学的視点から最も栄養不足に陥りやすいステージは授乳期です。このことは在来豚でも同様のはずという仮説のもと、在来豚の授乳期母豚に慣行飼料に変え、西洋種の授乳期飼料と同様の栄養組成の濃厚飼料を供与して、その子豚の発育を観察しました。

その結果、母豚に対して濃厚飼料を給与した腹では離乳日齢が平均して35.7日で、この時の平均体重がすでに3,265gとなり、離乳目標である1ヶ月前後に3,000gという目標が達成できたことがわかりました。

授乳期母豚への濃厚飼料給与量を多くすることで哺育子豚の発育が早まり、早期離乳が実現します。母豚は授乳中は発情しませんが、早期離乳することで母豚の発情を早め、生産性が向上することが期待されます。今後プロジェクトでは、同様の活動を現行のカオソン・コミューンに加え、5つのコミューンに広げていく計画です。

(文責:林哲、飼養管理技術専門家)

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試験農家で哺育子豚の体重を計り、発育を観察する。

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母豚の繁殖記録を取ることにより分娩間隔を短縮し生産性を向上させることを指導する。

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