在来豚の精子凍結が開始されました

2019年1月28日

本プロジェクトの成果のひとつに、系統解析にもとづいた在来ブタのデータベースおよび凍結精子保存システムの確立があります。プロジェクトでは、2015年11月から在来豚のデータ収集を開始し、22省から32品種、2,033個体の在来豚耳介組織サンプル、ブタの毛色や体の形などの外形的情報、さらに各農家のブタの管理に関する情報を収集しました。

収集された耳介組織サンプルからDNAを抽出し系統解析を行った結果に基づき、交雑の進んでいない豚の多い5省(ラオカイ、ハザン、ライチョウ、クワンガイ、ビントウアン)を優先省として、これら地域の雄豚の精子を凍結し、凍結精子を保存する活動を進めています。これまでに、ライチョウ、ハザンの各省から、あわせて2種、10頭の雄豚の精子(4,104本)が凍結されました。凍結精子は、畜産研究所に設置された液体窒素タンクに保存します。

プロジェクトではすでに22省から収集した1,959個体、32品種のデータをデータベースとして保存しています。今後プロジェクトの終盤に向けて、さらに4種の在来豚の凍結精子を保存します。凍結精子はデータベースとリンクされ、凍結精子バンクシステムとして確立する計画です。

文責:山岸信子(業務調整員)

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ライチョウ省の雄から精液を採取するNIAS-V女性スタッフら。

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精子凍結用のストローの準備をする。

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精子が破壊しないように徐々に温度を下げる。