終了時評価調査が行われました

2019年10月31日

2019年10月17日~31日

10月17日~31日にかけて、本プロジェクトの終了時評価調査が行われました。プロジェクト協力期間が約半年後に終了することを見据え、本プロジェクトの計画に照らして活動実績や達成状況を確認し、その結果について評価5項目(妥当性、有効性、効率性、インパクト、持続性)の観点から評価を行い、評価結果を踏まえて、プロジェクトの終了までに達成すべき活動や解決すべき課題、さらに終了後にJICA、相手国の双方が取るべき対応について相手国側と協議し、必要な提言を行うことが目的です。

終了時評価調査は、JICA、科学技術振興機構、およびベトナム国農業農村開発省の合同調査として実施されました。合同調査団は日越両国の実施責任者や研究者からの聞き取り調査を行ったほか、ホアビン省ダバック地区で在来ブタ生産にあたるモデル農家、在来ブタ生産協同組合の運営する食肉処理場、畜産研究所タイグエン・センターの育種活動の現場を視察しました。10月30日には第3回研究成果報告会が開催され、過去1年間に本プロジェクトで実施された日越合同研究が発表されました。

調査の結果は10月31日に開催された第5回合同調整委員会において報告されました。本プロジェクトは、評価5項目すべてにおいて高い評価を得ました。3つの成果にかかる指標はその多くが現時点までに達成されたか、プロジェクト終了までに活動を継続し目標が達成されることが期待されています。

2019年2月にベトナムで初めて確認されたアフリカ豚コレラは急速に感染が広がり、ベトナム在来ブタ遺伝資源の保全の重要性の認識に拍車をかけ、プロジェクト終了後はベトナム政府の支援により、在来ブタ遺伝資源の活動が継続される見通しです。プロジェクトで確立した遺伝子バンクシステム、精液や胚からの再生技術の開発、遺伝資源活用方法の開発といった技術は、ベトナム政府のオーナーシップを以て、プロジェクトで培った日越両国の研究チームの継続した協力の下に、一層発展していくことが期待されます。

プロジェクトでは、残る6ヶ月の間に未完成の活動を継続し、目標が達成できるよう、気持ちを新たにしています。

文責:山岸信子(プロジェクト調整員)

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ホアビン省ダバック地区のモデル農家の視察。アフリカ豚コレラが流行する中で、防疫に細心の注意を払っています。

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出産する母豚のために、豚舎の中に小さな区画を作って、藁や布を敷いて、産まれてくる子豚を暖かく守ります。

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第5回合同調整委員会での報告と協議を踏まえて、合同評価調査報告書が合同評価チームにより署名されました。

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第5回合同調整委員会での報告と協議を踏まえて、合同評価調査報告書が合同評価チームにより署名されました。