6省での精子凍結がすべて完了しました

2019年11月22日

2018年10月に開始された精子凍結活動が先月10月にすべて終了しました。これで、プロジェクトで計画した6省、6個体群、30頭すべての精子凍結が完了し、7,122本の凍結精子ストローが国立畜産研究所の凍結精子バンクに保存されました。

本プロジェクトでは、貴重なベトナム在来ブタ資源の保存のため、DNA解析の結果から交雑が比較的進んでいない豚の多いと想定される5省(ラオカイ、ハザン、ライチョウ、クアンガイ、ビントウアン)に加えて、クアンニン省の在来ブタ(モンカイ種)の精子凍結を進めてきました。今年2月からアフリカ豚コレラの感染が拡大した影響で、精子凍結の継続が懸念されましたが、ベトナム側関係者のコミットメントと感染を阻止する措置の徹底や採精方法の変更など工夫の結果、無事目標を達成することができました。

ベトナム国農業農村開発省によると、ベトナムには現在、22品種の在来ブタが存在すると報告されています。アフリカ豚コレラの拡大により在来ブタ資源の保存の重要性が再認識され、プロジェクト終了後は国家プログラムとして、15品種の精子および胚の超低温保存が継続される見通しです。

文責:山岸信子(プロジェクト調整員)

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クアンガイ省にて、精巣上体から精液を採取する。

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遠心処理により精漿を分離し精子のみを回収する。

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さらに精子を耐凍剤入りの希釈液で希釈する。