ナムディン省にてインフォーマルワーカー向けの保険加入促進コミックを配布

2019年12月12日

ベトナムでは、2025年までに健康保険加入率95%以上を達成することを目指しています。本プロジェクトでは、その目標達成を支援するため、健康保険加入促進ツールとして、インフォーマルワーカー向けと学生向けの2種類のコミックを作成し、前者のインフォーマルワーカー向けのコミックをナムディン省ナムチュック郡にて配布しました。配布効果を測定するため質問票も合わせて配りました。

コミックの完成後、配布に向けて、まず、本活動の主なカウンターパートであるベトナム社会保障メディアセンターと配布目的や評価方法について協議のうえ合意し、次いで、配布地として選ばれたナムディン省社会保障を訪問し、具体的な配布タイミングについて協議を行いました。その結果、ナムチュック郡社会保障及び人民委員会が共催する定例会にて配布することとなりました。同定例会は、開催地の住民を対象に、健康保険を含む各種社会保険に関する説明を行うなど、地域住民の公的保険への加入を促進する広報活動の一環として位置づけられています。今回は、ナムチュック郡のディエンサ(11月19日)、ナムティエン(11月21日)、ギアアン(11月22日)の3つのコミューンで開催された定例会に参加し、後述のとおり定量的に効果測定するため、ディエンサとギアアンにはコミック及び質問票を、ナムティエンには質問票のみを配布しました。質問票には計284名から回答をいただきました。

今後は、回収した質問票のデータ入力、データクリーニング、統計分析を行い、活動結果をベトナム社会保障メディアセンターに報告する予定です。コミックを配布するのみでは「今後、同様の活動を続けるべきか」といった問いに答えることができません。そこで、コミックを配布することにより読者に対してどういった変化が生まれたのかを定量的に明らかにするため、今回は3つのコミューンを「コミックを配布するグループ(ディエンサ、ギアアン)」と「配布しないグループ(ナムティエン)」の2つに分け、配布及び効果測定を行う設計としました。コミック配布後、コミックの効果を測る指標(健康保険に関する興味、行動変容、知識など)について、基本的な属性(性別、年齢など)による違いを考慮したうえで、両グループの比較を行います。本来、コミックを配布する前にも質問票を配布し、2時点における2グループの比較をすることが統計分析の観点からは望ましいですが、予算の制約や費用対効果を考慮し、今回は事後(コミック配布後)のみについて2グループの比較を行います。

また、学生向けのコミックについては、ハノイ市内の5つの大学に質問票とともに配布する予定です。コミックの配布とあわせて、学生の保険加入状況やコミックに関する感想などを収集し、健康保険に関する広報活動の改善に活用していきます。

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定例会でのコミックの配布