建設事業管理制度構築能力向上プロジェクト(SMTC-P)の概要

2020年2月23日

2020年3月から、ベトナム社会主義共和国(以下、ベトナム)で、新しい技術協力プロジェクトを開始しました。
プロジェクト名は、「ベトナム国建設事業管理制度構築能力向上プロジェクト(Project for Capacity Enhancement in Developing State Management Tools for Construction Project)」です。
プロジェクト名の「State Management Tools for Construction Project」の頭文字を使用して、「SMTC-P」と略称しています。
3年間のプロジェクトで、2023年2月まで活動します。

ここで本プロジェクトの概要について、説明します。
SMTC-Pは、ベトナムにおいて、公共事業の積算制度を改善することが目的です。
ご存じの通り、建物を建てたり、道路や橋などを作ったりするにはお金が必要で、どれくらいの予算が必要なのか、事前に見積もる必要があります。
見積もりのためには、その費用に含んでおかなければならない項目は何か、材料、機械、働く人の賃金の単価や歩掛(注)はいくらかなどが、積算制度で適切に決められていなければいけません。
((注)歩掛とは、ある作業を行うときに作業員、作業機械、資材がどれだけ必要かを数量としてまとめたデータのことを意味します。例えば、「1人の作業員が1立方メートルの土砂をトラックに積み込む場合、○時間必要」など。)

しかし、ベトナムの積算制度は長い間改訂されていない部分が多く、現在のベトナムの状況に合っていないなどの問題があります。例えば、「工事現場で働く人の職種が現在の状況と合っていない」「間接費に含まれるべき項目が含まれていない」など。
ベトナムの古い積算制度を今のベトナムの状況に合うようにするには、実態調査を行う必要があります。
SMTC-Pでは、日本人専門家がベトナム建設省(MOC)と協働して、実態調査の方法を協議、実態調査の方法論を提案し、積算制度の改善に向けて協力していくものです。
MOCの中でも、特に建設経済庁(SACE)、建設経済院(ICE)、建設・都市幹部育成センター(AMC)と協働してプロジェクトを実施します。