新規教育プロジェクトでザンビア教育省と初の合同会合を実施

2017年2月3日

JICAはこれまでザンビアの教育セクターにおいて、教育省が実施する授業研究の普及を支援し、2015年にはこの取り組みが全国に拡大するまでになりました。この流れを受け、2016年より開始した「教員養成校と学校現場との連携による教育の質改善プロジェクト(IPeCK)」では、これまで授業研究普及に尽力したザンビア教育省の中核人材と共に、3つの教員養成校とその近隣の小中学校が連携して、日本の教員の実践である教材研究及び授業研究を行い、より質の高い理数科授業を自身の手で作り上げながら、その成果を全国に発信していく活動を行っています。

2016年1月に始まったプロジェクトでしたが、1年間の活動を踏まえて、プロジェクトの主要メンバーがこれまでの進捗報告と今後の方針を話し合うために合同会合を行いました。同会合は全国の教員養成校関係者や教育省関係者が一堂に会する初の機会となりました。

会合の中では、活動進捗や今後の方針についてさまざまな議論が繰り広げられました。中でも目を引くものとして、現在プロジェクトの対象となっている3校の教員養成校以外の校長から、自身の学校で早く活動を取り入れてほしいとの要求が出され、これに対して教育省からは、教育省が主体となってプロジェクトの対象3校以外の教員養成校8箇所で同様の活動を導入していくことが示されたことがあります。ザンビア関係者の発意により、教育省のプログラムとして、プロジェクトの活動が拡大していくことになります。

また、昨年実施された日本での研修にて広島大学とその附属校を訪問したザンビア教育省のメンバーからは、日本の活動からヒントを得て意識の変革が生まれています。その中でも大きな変革として、ザンビアの方針として策定され、授業研究の全国展開の方法が示されている「学校ベースの継続的な職能開発マスタープラン」の改訂の必要性が訴えられ、教育現場と教員養成の連携の必要性を盛り込むなど国の方針をより良いものに変えようとする動きが進んでいます。これは日本を訪れ、日本の教育現場を視察したメンバーが、ザンビアにはより実践に即した指針が必要と判断したことから始まったものです。また、会合以外の場でも活発な動きがみられ、ある対象教員養成校では、同じく広島を訪問した際に教育実習を見学し、その内容を取り入れようと、自身の学校の教育実習制度を見直す独自の取り組みも始まりました。

このように、プロジェクト活動を開始してからの1年で様々な動きが生まれつつあります。今後もザンビア教育省の動きに注目したいと思います。

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JICAザンビア事務所長による講演

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熱心に聴講する参加者