「教員養成校と学校現場との連携による教育の質改善プロジェクト」専門家、中井一芳氏が平成30年度「外務大臣表彰」を受賞

2018年11月12日

「教員養成校と学校現場との連携による教育の質改善プロジェクト」(IPeCK)チーフアドバイザーの中井一芳氏が、平成30年度外務大臣表彰を受賞されました。外務大臣表彰は、日本と諸外国の友好親善関係増進に顕著な功績があった個人および団体を称える名誉ある賞です。2018年10月17日、中井氏の受賞を記念して、表彰状及び副賞の贈呈式が駐ザンビア日本国大使公邸で開催されました。同式典には、ベンソン・バンダ一般教育省国立科学センター局長、グレース・チレクワ一般教育省教師教育特殊サービス局長、側嶋秀展駐ザンビア日本国特命全権大使、JICAザンビア事務所の花井淳一所長を始め、30名以上の関係者が参加しました。

中井氏は、2005年に「SMASTE授業研究支援プロジェクトフェーズ1」(SMASTEフェーズ1)の専門家としてザンビアに赴任し、以降14年間に渡り、ザンビアの理数科教育の発展にご尽力されてきました。SMASTEフェーズ1では、日本発祥の教員研修手法である「授業研究」をザンビアに導入し、「SMASTE授業研究支援プロジェクトフェーズ2」(SMASTEフェーズ2)、「授業実践能力強化プロジェクト」(STEPS)を通じて、ザンビア全10州に普及させました。2015年時点で授業研究は、3,121校、46,058人の教員に拡大し、その結果1,640,000人の生徒が恩恵を受けています。現在中井氏は、IPeCKプロジェクトの専門家として、教員養成校教官の能力向上に取り組んでいます。

中井氏の指導を受けて、ザンビアは今、アフリカ理数科教育のハブとして域内協力の推進に努めています。2016年以降、アフリカ各国向け第三国研修を開催し、2018年には15カ国31名の研修員がザンビアに集まりました。

相手国政府職員のオーナーシップを最大限尊重する中井氏は、式典のスピーチで、「この賞は私ひとりの行動によって成し遂げられたわけではない。この場にいる全ての関係者の支援によって受賞できた。よってこの賞は私を支えてくださったすべての人に贈る」と話されました。今後も中井氏と共に歩んできた教育省関係者により、ザンビアの理数科教育の発展、さらにはアフリカ域内協力の推進が強く期待されます。

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授賞式にはカウンターパートなど多くの関係者が出席しました。

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中井専門家(左)と側嶋大使(右)