仮想空間VRを活用した特殊橋梁点検研修

2021年7月19日

世界を襲っているコロナ禍はザンビア国でも拡がっており、プロジェクト活動に影響を与えています。現地での活動の一つである特殊橋梁点検技術の移転については、実橋を使って橋梁点検技術を指導する予定でしたが、現地での活動が困難なことから、仮想空間(Virtual Reality:VR)技術を活用し日本から遠隔で橋梁点検技術の移転に取り組みました。

今回、特殊橋梁の一つである、チルンド橋(橋長:400m、3径間連続PC箱桁橋)の点検技術についてVRを使用して研修を行いました。チルンド橋はザンビア国とジンバブエ国の両国を跨ぐ橋で国境の重要な交通の要です。同橋は、日本の援助により2002年10月に完成しています。

研修方法は、事前に日本国内でチルンド橋と類似した橋梁を選定して360度カメラで撮影し、チルンド橋を静止画で再現したVR空間を制作しました。研修では、日本とザンビアをインターネット回線でつなぎ、RDA研修者はゴーグルを使用してチルンド橋の仮想空間に入り、プロジェクト専門家は同様に日本から仮想空間に入り、チルンド橋に見立てた橋梁において、点検順序、各部材の点検ポイント、発生の可能性がある損傷の場所や種類を紹介しながら技術指導を行いました。

初めての試みであり、最初は時間を要しましたがRDAカウンターパートも徐々に慣れ、VRの中でチルンド橋の点検手法、損傷の原因等を学ぶことが出来、技術移転を図ることが出来ました。参加者は、このようなVRを使用した研修は初めて体験することから、興味深く熱心に取り組んでおりました。

コロナ禍で様々な制限がありますが、今後も工夫を行いながら着実に技術移転を図ってまいります。

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チルンド橋

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同型式の日本の類似橋

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VRによる点検研修を受けるカウンターパート

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ゴーグルを操作し点検技術を学ぶカウンターパート

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VR空間

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同時中継により、日本から点検技術指導を行う専門家