プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)橋梁維持管理能力向上プロジェクトフェーズII
(英)Project for Improvement of Bridge Maintenance Capability Building in Zambia Phase 2

対象国名

ザンビア

署名日(実施合意)

2018年12月3日

プロジェクトサイト

ザンビア全土

協力期間

2019年3月15日から2024年3月14日まで

相手国機関名

(和)道路開発公社、ザンビア大学
(英)Road Development Agency、University of Zambia

背景

ザンビア共和国(以下「ザ」国)は南部アフリカに位置し8つの国に囲まれた内陸国で、道路網は首都ルサカを中心とした7つの主要回廊から構成されています。全国の道路総延長は約67,000kmで、そのうち約39,800kmが基幹道路網(Core Road Network for Zambia)とされ、うち約450橋の橋梁が含まれています(2011年現在)。国内貨物輸送のほとんどが道路および橋梁を利用しており、道路交通網の整備は「ザ」国の経済活動を支える上で非常に大きな役割を果たしています。幹線道路の管理状況は良好でありGood、Fair、Poorの3段階評価の中でGoodもしくはFairと評価された区間は99%(2011年、RDA)に及ぶ一方、橋梁の多くは1970年代あるいはそれ以前に建設され、適切な維持管理作業がなされなかったことから老朽化が進んでいます。
「ザ」国は、基幹道路網の道路・橋梁の建設・維持管理を行うため、2002年道路開発庁(Road Development Authority、以下「RDA」)を設立し、建設・維持管理を行っています。橋梁については、2013年に維持管理局橋梁・緊急復旧課を設置して橋梁の点検および改修に着手、2014年には試行的に外部契約による日常維持管理業務を開始しましたが、橋梁技術者が少なく、計画策定から業務監理までのノウハウがない等、RDAの橋梁維持管理能力の向上が課題となっていました。
JICAは「橋梁維持管理能力向上プロジェクト」(2015年2月~2017年8月)においてRDAに対して日常維持作業や点検作業といった各種ガイドラインの整備、OJT等を通じて維持管理作業の基本的知識及び技術の習得、日常維持管理のパイロット工事を通じた契約監理の能力向上を図ったものの、適切な維持管理のためには、補修・対策工ガイドラインに基づく補修工事の実施等、維持管理サイクルを確立し、橋梁維持管理体制を整える必要があります。
また、フェーズIでは、ルサカリージョンオフィス及び民間コントラクターを対象に日常維持・点検作業にかかる研修を実施しましたが、国全体での橋梁の維持管理状況を改善するためには、これらの成果を地方の技術者へ普及・展開させることも不可欠です。フェーズIで作成した維持管理ガイドライン・点検マニュアル等を活用し、技術・知識を着実に全国へ普及・展開させ、更に、補修・対策工事の施工能力の向上が必要な状況にあります。
以上の経緯から「ザ」国より日本に対して橋梁の維持管理に関する技術協力の要請がなされ、本業務が実施される運びとなりました。

目標

上位目標

RDA管轄の橋梁の状態が改善する。

プロジェクト目標

RDA本部とリージョン事務所において、橋梁の維持管理業務が改善する。

成果

1. RDA本部とリージョン事務所において、橋梁日常維持管理に係る技術者の能力が向上する。
2. RDA本部とリージョン事務所において、橋梁補修に係る技術者の能力が向上する。
3. RDA本部とリージョン事務所において、橋梁点検に係る技術者の能力が向上する。
4. ザンビア大学に、RDA、NCC等への持続的な橋梁技術者育成体制が構築される。

活動

1-1. フェーズ1で整備した橋梁日常維持管理ガイドラインをレビューし、必要に応じて改訂をする。
1-2. 特殊橋梁(吊り橋、斜張橋等)のための日常維持管理手法をガイドラインに追加する。
1-3. 幹線道路、国道、県道の橋梁について、ロールアウトプログラムに基づいてパイロットリージョンで実施される日常維持管理業務を支援する。
1-4. パイロットプロジェクト現場を活用し研修を実施する。
1-5. リージョン事務所の主導で、ロールアウトプログラムの進捗と実績をモニタリング・評価する。

2-1. フェーズIで整備した橋梁補修ガイドブックをレビューし、必要に応じて改訂をする。
2-2. コンクリート、鋼橋、PC橋等に関する補修パイロットプロジェクト実施を支援する。
2-3. リージョン事務所の主導で、橋梁補修パイロットプロジェクトをモニタリング評価する。
2-4. RDA技術者及び民間コンサルタント/コントラクター技術者を対象として橋梁補修技術に関するセミナー/OJTを実施する。

3-1. フェーズ1で整備した橋梁点検ガイドブックをレビューし、必要に応じて改訂をする。
3-2. 特殊橋梁(吊り橋、斜張橋、PC箱桁橋等)のための点検手法をガイドラインに追加する。
3-3. 対象リージョンの技術者に対して特殊橋梁点検<*6のOJTを実施する。
3-4. RDA技術者及び民間コンサルタント/コントラクター技術者を対象として橋梁点検技術に関するセミナーを実施する。

4-1. ザンビア大学内に橋梁維持管理センターを立ち上げる。
4-2. RDA、ザンビア大学、NCCから成る橋梁技術者育成に係るプラットフォームを構築する。
4-3. ザンビア大学で実施する橋梁技術者育成研修のカリキュラムを作成する。
4-4. ザンビア大学でRDA技術者及び民間コンサルタント/コントラクター技術者を対象として橋梁技術者育成研修を実施する。

投入

日本側投入

1. 専門家派遣

・総括/橋梁維持管理計画
・橋梁補修-1(コンクリート橋)
・橋梁補修-2(鋼橋)
・橋梁維持管理
・特殊橋梁維持管理
・特殊橋梁点検
・モニタリング・評価
・業務調整
・その他(必要に応じて)

2. 研修

・本邦及び第3国におけるカウンターパート研修

3. 機材供与

・橋梁維持管理機材

相手国側投入

1. C/Pの配置

・プロジェクト・ダイレクター
・プロジェクト・マネージャー
・副プロジェクト・マネージャー
・プロジェクト・コーディネーター
・RDA本部及び州事務所からの技術カウンターパート
・NCC(国家建設委員会)からの講師
・支援スタッフ

2. プロジェクトオフィス(家具、インターネット等)

3. プロジェクト経費(ザンビア国内のC/P研修経費、特殊橋梁補修パイロットプロジェクト経費)

4. 年次維持管理業務にかかるコスト