ザンビア共和国MOReDeP ルンガ郡での成功例

2022年2月25日

アイザック・シカニカさんは、市場志向型稲作振興プロジェクト(MOReDeP)が育成したマスタートレーナーの一人です。彼が担当するルアプラ州ルンガ郡は2019年10月のプロジェクト開始から継続して支援されています。「ルンガ郡はザンビアでも最もアクセスが困難な遠隔地のひとつです。その一方で、稲作にとっては豊かな地域と言え、広大な湿地帯に囲まれていることもあり、より大きな可能性を秘めていると考えています。まだまだ発展途上ですが、このプロジェクトを通してその可能性は開花されつつあります。マスタートレーナーとしてこの地域の農家の方々を支援することをとても嬉しく思っています」。シカニカさんはいくつかの成功例を紹介してくれました。

カソマ・ルンガに住むエドソン・カルンブさんは、市場志向型稲作振興プロジェクトが当地区で支援してきた1,050人の農家の一人です。プロジェクトを通して学んだ技術を実践することで、以前500キログラムの米しか収穫できなかった2,500平方メートルの農地から、900キログラムの米を収穫しました。カルンブさんは、このうちの850キログラムを売って得た5,100クワチャを使って家の屋根材を購入し、過去2年間、未完成のまま放置されていた家の建設を完了させました。「プロジェクトに参加できたことをとても嬉しく思っています。プロジェクトのおかげで新しい家を完成させることができました。次は、子どもの通学を助けることができるように、ボートを買いたいと考えています。」

エバンス・カヤさんもカルンブさんと同様に米を作付けしましたが、洪水の被害にあってしまいました。それにも関わらず、収穫は250キログラムから350キログラムに増え、さらに、プロジェクトで習得した市場志向型アプローチを実践することで、相場価格よりも25%高い300クワチャ/50キログラムで売ることができました。その利益をもとに、来年の完成を期して、新しい家の建設を始めました。

ムンバ・ロビンさんは、今後、さらなる成功に大きな期待を寄せています。昨年度(2020年~2021年の作期)の収穫量は30%増加し、それによって子どもの教育を助けることができました。この成功の後、今年度(2021年~2022年の作期)は米の作付け農地を2倍に増やすことにしました。

シカニカさんは言います。「JICAの支援がルンガ郡にもたらした効果は過小評価されるべきではありません。この地域では、近い将来、より大きな成果が現れてくることが期待されています。プロジェクトの完了までにこの地域の稲作がより高い水準に達していることは間違いありません。」

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アイザック・シカニカさん-マスタートレーナー

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エドソン・カルンブさん

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エバンス・カヤさん

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ムンバ・ロビンさん