10名のキーパーソンが国別研修「5S-KAIZEN TQM手法による質向上」を修了

2022年12月19日

2022年12月2日から12月15日の日程で、国別研修「5S-KAIZEN TQM手法による質向上」を実施しました。プロジェクトにおいて、今後中心的な役割を期待される10名(保健省から3名、州保健局から2名、中央病院から2名、州病院から3名)の方々にご参加いただきました。研修員の皆さまは研修コースを修了され、12月17日に無事にジンバブエにご帰国されました。

【画像】研修閉講式での集合写真(2022年12月15日)

研修プログラム概要

本邦研修では、座学・実習・討論・視察等を組み合わせて、研修員の積極性を引き出すためのアクティブラーニングの手法も取り入れて、より深い学びとなるよう工夫しました。研修目標や指導項目の概要は以下の通りです。

【研修目標】
ジンバブエでの5S-KAIZEN TQM手法の定着に向けた取り組み状況や持続的な病院内のサービスの質改善活動を行うための実施体制づくり、実施計画、モニタリング方法、評価方法、改善策の企画・実施能力が向上する。

【主な研修項目】
1)研修員によるインセプションレポート(現状)の発表
2)医療の質の安全、危険予知トレーニング
3)日本病院機能評価機構の取り組み
4)5S-KAIZEN-TQM手法の基本理念、概要、実践方法
5)病院において質管理活動を効果的に実践するための実施体制の整備やモニタリング評価方法
6)日本の病院における質管理活動の視察
7)研修員によるアクションプラン作成・発表 等

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藤田医科大学病院 安田あゆ子先生によるプロセスフローチャート活用に関する講義(2022年12月5日)

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5S実習の様子(2022年12月7日)

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富士宮市立病院での5S実践状況の視察(2022年12月9日)

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カイゼン実習にて助言する鈴木専門家(写真右)(2022年12月14日)

研修による成果

研修員による研修評価アンケートの結果から、研修員の研修に対する一定の満足度も確認することができました。さらに、研修による知識の習得状況を測るため、研修開始時と研修終了時の両方で医療の質改善と5S-KAIZEN-TQM手法の実践に必要な項目に関するテストを実施しました。その結果、開始時から比べ、終了時には平均点が10点以上も上がり、研修員の知識の向上が示唆されました。

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プレテストとポストテストの結果比較

研修コース最終日の12月15日には、研修員ひとりひとりが今回の研修で習得した知見を基にアクションプラン(ジンバブエに帰国後4か月間で実践する活動計画)としてまとめ、ご発表頂きました。アクションプランでは、「所属先で危険予知トレーニングを導入する」、「所属先にて5Sの実践を始める」等の内容が盛り込まれており、本研修で学んだことをそれぞれの現場に積極的に活かしていこうとする姿勢が見られました。

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アクションプランを発表する保健省質管理・患者安全局のJesca氏(2022年12月15日)

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アクションプラン発表の総評を行う宮本専門家(2022年12月15日)

今回作成されたアクションプランが実現され、研修員ひとりひとりの取り組みが医療の質向上に貢献できるよう、プロジェクトを通して現地でも支援していきたいと思います。また、本研修により育成された研修員との協働を通して、効果的なプロジェクト活動の実施とプロジェクト目標の達成を目指します。

末筆になりますが、積極的に研修にご参加いただいた研修員のみなさま、研修開催にあたりご支援いただきましたご関係者のみなさまに深く感謝申し上げます。

【画像】富士宮市立病院視察からの帰路で撮影した集合写真(2022年12月9日)