キックオフセミナー開催

2023年5月5日

2023年5月5日、首都ハラレにて、プロジェクトのキックオフセミナーを開催し、参加された関係者の皆さまに、プロジェクトが本格的に始動することを周知することができました。本セミナーには、保健省、州保健局、州病院、中央病院、他の開発パートナーなどプロジェクトに関係する方々、総勢約70名が参加されました。
保健省副大臣のチャムノルワ・マングウェイロ氏や在ジンバブエ日本国大使館の田中聡志大使にもご出席いただき、ご両名から開会のスピーチを頂きました。また、プロジェクトからは、プロジェクト概要や5S-KAIZEN-TQM手法とその効果に関して発表し、既に5S-KAIZEN-TQM手法を導入している施設のうち6施設(1州保健局、5病院)が自身の取組事例とその成果、課題を共有しました。

【画像】キックオフセミナー参加者集合写真

保健省副大臣と在ジンバブエ日本国大使による開会挨拶

会議冒頭、ご来賓いただいた保健省副大臣と在ジンバブエ日本国大使より開会のご挨拶を賜りました。保健省副大臣は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(以下、UHC)と強靭な保健システムの実現に向け、医療の質と患者安全を向上させるための5S-KAIZEN-TQM手法の実践の重要性について言及されました。更に、「医療従事者ひとりひとりが自分の立場でできうることを最大限取り組むことが必須である」と、セミナー参加者全員に呼びかけました。
在ジンバブエ日本国大使は、日本政府は本技術協力プロジェクトの他、600万米ドル以上をジンバブエの医療施設や医療機材整備に投入して、医療の質改善を含むUHC達成に向け、保健分野で包括的な支援を行っていることを述べられるとともに、本プロジェクトの本格始動を祝福して下さいました。

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保健省副大臣による開会スピーチ

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在ジンバブエ日本国大使による開会スピーチ

プロジェクトメンバーからの発表

保健省質保証・患者安全局副局長であり、プロジェクトマネジャーのポメライ氏からは、ジンバブエにおける5S-KAIZEN-TQMに関するこれまでの取組と今後の展望について発表されました。
続いて、宮本専門家が5S-KAIZEN-TQMの基本コンセプトについて発表しました。その中で、5S-KAIZEN-TQM手法の効果的な実践をして、医療サービスの質と安全の向上を達成させるためには、マネジメント・QIT・WIT等の病院職員一人ひとりに役割があり、尊重と協働をしながら進めていく必要があることを強調しました。また、鈴木専門家は、プロジェクトの目的や期間、対象施設等を含むプロジェクトの実施概要や今後の活動スケジュールについて共有しました。

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プロジェクトマネジャー(保健省質保証・患者安全局副局長)による発表

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日本人専門家による5S-KAIZEN-TQM手法の基本コンセプトに関する発表

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日本人専門家によるプロジェクト概要説明

1州保健局、5病院による取組事例と主な成果・課題の共有

キックオフセミナーでは、参加者に5S-KAIZEN-TQM手法による医療サービスの質向上に関し、より具体的なイメージを掴んでもらえるよう、既に5S活動に着手している1か所の州保健局、2つの州病院および3つの中央病院に取組事例とその成果と主な課題についてご発表いただきました。
5S活動の成果として、病院・労働環境の改善が患者待ち時間の短縮などのサービスの質を改善している事例が報告されました。一方、直面している課題として、保健医療人材や医療資機材の不足、電気・水資源に制限があるなど、主に外部要因が強いことが強調されました。

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グウェル州病院からの発表

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ユナイテッド・ブラワヨ中央病院からの発表

JICAジンバブエ支所長からの閉会の挨拶

閉会の挨拶として、JICAジンバブエ支所の古田支所長は、日本からのビデオメッセージで、JICAはジンバブエ政府やその他すべてのステークホルダーと協働し、本プロジェクトの目標達成のみならず、ジンバブエの保健セクターが直面している課題を克服するために支援すると宣言しました。

【画像】JICAジンバブエ支所長からのビデオメッセージ

最後に、イングチェニ中央病院の医局長より閉会の辞をうけ、本セミナーを無事閉会することができました。

本セミナーをもって正式なキックオフ(始動)を終え、2023年5月と6月には、早速、5S-KAIZEN-TQM手法のオペレーショナルガイド改訂ワークショップや研修モジュール・教材開発ワークショップ、5S-KAIZEN-TQM基礎研修などを計画しております。引き続き、ジンバブエの保健医療分野における医療サービスの質向上に貢献できるよう、プロジェクトメンバー一同精進してまいります。