第1回5S-KAIZEN-TQM手法に関する基礎研修開催

2023年7月6日

2023年7月3日から6日まで、マニカランド州ムタレ市にて、州保健局および対象病院向けの5S-KAIZEN-TQM手法に関する基礎研修を開催しました。全国の州保健局(全10機関)および中央病院(全6施設)・州病院(全8施設)から計41名の職員が参加し、5S-KAIZEN-TQM手法の基礎について学びました。

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5S演習

研修概要

今回の研修は5S-KAIZEN-TQM手法を導入する際の基礎の位置付けで、参加者が本手法の基本概念を理解し、職場環境の改善のための5S手法の実践方法を理解、習得することを目的に実施しました。研修では、研修会場での座学・実習・討論に加え、研修の開催地ムタレ市にあるビクトリア・チテポ州病院の視察も取り入れました。これにより、参加者が研修会場の座学・実習で学んだ5Sがどのように病院の職場環境と業務改善に生かされているかの実際を目の当たりにすることで理解を深めたり、モニタリング・評価(以下、M&E)の実地演習を通して実践方法を習得できたりするなど、より実用的な内容になるよう工夫しました。

主な研修項目

  • ジンバブエの保健サービスの現状
  • ジンバブエにおける5S-KAIZENの実施状況に関する課題
  • 質改善に向けたポジティブマインドセット
  • 病院における質と患者安全に関する基本概念
  • 5S-KAIZEN-TQMの基本概念
  • リーダーシップとチームワーク
  • 質管理のための院内組織体制
  • トップマネジメントの役割と責任
  • 質管理のPDCAサイクル
  • 危険予知トレーニング
  • 5Sと効果的な実践のためのツール、5S実践演習
  • 5S-KAIZEN-TQMのM&Eとツール
  • 病院視察(5S-KAIZEN活動の観察とM&E実地演習)
  • 病院視察の結果のとりまとめと発表
  • アクションプランの作成

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5Sの演習方法について説明する紺野専門家

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5S演習時に参加者にフィードバックする宮本専門家

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ビクトリア・チテポ州病院への視察プログラムの様子

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ビクトリア・チテポ州病院への視察プログラムの様子

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病院視察後のM&Eのフィードバックプレゼンテーションをする参加者

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アクションプランの作成を支援するファシリテーターのマシンゴ州病院質管理担当者(写真右)

研修の成果・評価

本研修では、全日の研修プログラム参加者には研修修了証を授与し、ポストテストで100点中65点以上を獲得した参加者には能力証明書を授与することとしました。研修の結果、参加者全員に両証明書を授与することができました。

また、プレテストとポストテストの結果を比較すると、下図にも示す通り、研修後で平均点が向上しており(プレテスト平均点:70.0点、ポストテスト平均点:78.8点)、研修による参加者の知識向上がみられました。

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加えて、最終日に実施した参加者による研修プログラムの評価では、研修全体の満足度について、回答者(注1)の97%が「非常に満足」または「満足」と答えており、全体として満足度の高い研修を実施することができました。

(注1)参加者41名のうち39名が回答。

<参加者からの声>

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研修修了書を受け取るムザワンドガさん(写真左)

研修終了後、ミッドランズ州保健局で勤務する州療法士(Provincial Therapist)ムザワンドガさんは、「5S-KAIZEN-TQM手法は、質改善の活動に有効な手法だと思います。研修を通して、ジンバブエの保健医療サービスの質向上に向けて、利用可能な資源を活用することで、私たちにできることがまだまだ沢山あることに気付かされました」と語ってくれました。ムザワンドガさんからは5S-KAIZEN-TQM手法による質向上活動への関心とやる気を感じることができました。

研修参加者は、最終日に本研修の学びを基に、各施設で取り組むべき活動についてアクションプランの案を作成しました。今後、プロジェクトでは、2023年9月頃を目途に、各施設を訪問して、立案したアクションプランが計画通りに遂行できているかなどを確認し、対象施設での5S-KAIZEN活動が効果的に実践できるように支援していきます。

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研修参加者の集合写真