【報告】「いつか世界を変える力になる!」~JICA海外協力隊オンライン帰国報告会inいばらき~

2021年3月4日

2021年2月20日(土)、茨城県出身のJICA海外協力隊経験者による帰国報告会をオンライン(Zoom)で開催しました。

茨城県出身の海外協力隊3名は、それぞれの開発途上国での活動内容、任国での生活や文化の様子に加え、協力隊に参加する前と参加後の心境の変化などを報告。また、コロナ禍で一時帰国した後に日本国内で行った地域での国内活動についても語りました。

【報告者の皆さん(派遣国/職種)】
 ▼西野 尚之(タンザニア/障害児・者支援)
 ▼三島 純菜(セネガル/小学校教育)
 ▼蛭田 義洋(ミャンマー/柔道)

各隊員による活動報告

発表者、参加者の皆様と記念撮影

まず、最初に発表してくれたのはタンザニア派遣の西野さん。
西野さんは、ご自身の専門である障害児教育、そして日本のろう学校での経験を活かし、現地の学校で聴覚障害を持つ子供たちに手話を使いながら算数や理科の授業をする様子を、動画と共に紹介してくれました。西野さんは、コロナ禍で一時帰国を余儀なくされた後も、オンラインで現地のタンザニア人と情報交換を行ったり、日本のろう学校から裁縫道具をタンザニアへ送ったりなどの活動を継続。また、人手不足に困っていた農家さんの支援活動にも取り組みました。
最後に、協力隊経験を通して自身が多様な価値観や自信を得たこと、そして、得意とする手話やスワヒリ語を活かし、社会的養護やマイノリティの支援を目指していきたい、という今後の目標を語ってくれました。

次に、セネガル派遣の三島純菜さんが発表。
三島さんは、現地の学校で生徒の算数の学力向上のため、まず現地の教員と共に、任地の学校を巡回し、現状と課題の把握に努めました。そして、算数の授業で子供たちに数字を視覚で覚えてもらうために、瓶のふたを使った「百玉そろばん」を作製。このように、「現地にある物」を活用し教材を作るといった、工夫を凝らした活動について話してくれました。
今後海外協力隊として派遣される人たちに向けては、「自分と他の隊員の活動を比較しないこと」、「現地の写真は多すぎるくらい撮っておく!」など、自身の協力隊経験から得た具体的なメッセージを伝えました。
最後に、この活動報告をすることで、自分の活動を「やってよかった」と改めて振り返ることができた、と語っていました。

最後に発表した蛭田さんは、ミャンマーに派遣され、柔道の東南アジア大会でのメダル獲得数増加のため、選手の技術向上や現地コーチの資質向上を目指して活動しました。
活動の報告を通して、柔道ならではの礼法を通しての指導や清掃活動など、まさに武士道精神を取り入れた指導をしていた様子が伝わってきました。
蛭田さんは自身の活動を振り返り、「やり残したこともある中で一時帰国となり、その後任国に戻ることなく任期が終了してしまった。心残りはあるが、心優しいミャンマー人との出会いや、スポーツ(第三の言語)を通してできた世界の人とのつながりをこれからも大切にして生活していきたい」と語りました。

報告会の最後には、(セネガルの公用語である)フランス語で「スーリー(笑って~)」という三島さんの掛け声とともに、オンライン参加者の皆さんと記念撮影を行いました。

今回、発表した3名の皆さんは、コロナ禍での一時帰国後、日本で待機中に残念ながら任期が終了しました。現地の活動への心残りもありましたが、それぞれが今後の将来を考え、前を向いて進んでいることが伝わる報告会となりました。

JICA筑波は、報告者及び参加者の皆さんのこれからの益々のご活躍を願っています!