所長挨拶

【画像】

1954年に我が国政府がODA(政府開発援助)を開始して以来、既に60年の年月が経ちました。当時の我が国政府は、国内の経済復興のための財政が逼迫していたにもかかわらず、国際社会の平和と安定に貢献するために、アジア諸国への戦後賠償と並行して、ささやかながら国際協力の第一歩を踏み出しました。国際社会へのそのような取組みの結果として、我が国は1956年に国連への加盟を認められ、国際社会に復帰しました。また、世界銀行からの資金の借入も認められ、同銀行の借款資金により我が国政府は東名高速道路や東海道新幹線を建設し、1964年の東京オリンピックを開催することができました。

1960年代から1980年代までの30年間、我が国は目覚ましい経済発展を遂げ、その後も経済大国の一つとして世界経済に大きな影響力を有する国になりましたが、天然資源や食料に乏しい我が国は多くのものを海外からの輸入に依存するとともに、我が国の経済は海外への輸出に大きく依存しており、我が国と諸外国との相互依存関係はますます緊密化しています。金融市場においても海外市場との間で毎日24時間休むことなく取引が行われています。我が国と諸外国とのこのような緊密な相互依存関係を踏まえるならば、我が国の経済的社会的安定と繁栄は世界の平和と安定にかかっていると言えます。すなわち、国際社会の脅威となるテロ、人や家畜への感染症、地球環境問題などが軽減され、世界が政治的、経済的、社会的に安定するとともに、世界各地で成長する市場が生まれことが我が国にとっても非常に重要であると言えます。

更に、我が国は少子高齢化の結果として、今後ますます海外からの需要の取り込みと外国人労働者への依存の必要性が指摘されております。現在でも高齢者介護や農林水産業の分野においては、外国からの労働者や研修生に助けられており、また、海外からの観光客の誘致は地域経済の活性化にとって一層重要になっています。このように我が国の海外への依存傾向はますます強まることが予想され、また、それに伴い、国内の国際化が一層求められています。

以上のような状況を背景として、私どもJICAは国内の様々な機関のご支援とご協力を得て、国際協力事業の実施を通じ開発途上国の人々の生活向上を支援させて頂いております。また、我が国国内の自治体・大学・NGO等による国際協力、中小企業等民間企業のODA事業への参加、国際協力を通じた地域活性化の取組み、学校・企業でのグローバル人材育成も支援させて頂いております。

JICA筑波は茨城県、栃木県及び筑波研究学園都市の皆様と共に国際協力を通じ我が国と諸外国との関係を促進するとともに、地域の皆様から提案・参加頂く市民参加協力事業、中小企業海外展開支援事業、グローバル人材育成支援のための開発教育支援事業等を通じ、「日本も元気にする国際協力」を推進して参りたいと存じますので、一層のご支援とご協力を宜しくお願い申し上げます。

JICA筑波国際センター
所長 芳賀克彦