第1回国境職員向け研修などの実施

2022年9月5日

本プロジェクトでは、カズングラ国境(ザンビア・ボツワナ間)とチルンド国境(ザンビア・ジンバブエ間)において、OSBP(One-Stop Border Post)の通関手続きの改善に向けた技術協力を実施しています。(OSBPは、国境越境の際の通関・出入国手続きを一か所にまとめることで、人やモノの効率的な移動を可能にする国境施設です。)
2022年7月は、本プロジェクトで初めてとなる国境職員向け研修をカズングラで実施した他、カズングラとチルンドの両国境にて多くの活動を対面形式で実施しました。

【画像】南部OSBPプロジェクト地図(引用元:Google社「Google マップ」)

1.各種委員会・定例会議を二か国合同の対面形式で開催

本プロジェクトでは、二か国合同の対面形式の各会議を初めて開催し、プロジェクトの成果・進捗状況を確認した他、現在実施中の通関所要時間調査の中間報告などがされました。対面形式での実施となり、これまでのオンライン会議と比べ、積極的な意見交換がより多く見られました。

7月19日には、チルンド共同運営委員会(注1)の第3回定例会議がザンビアの首都ルサカで開催されました。ザンビアとジンバブエの各関係機関の本部職員が主なメンバーとなる委員会で、両国合わせて計20名が一堂に会しました。

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チルンド共同運営委員会の様子

その他、国境に所在する両国の関係機関職員がメンバーとなる国境運営委員会(注2)においても、第4回定例会議がカズングラとチルンドの国境施設にてそれぞれ開催されました。

(注1)共同運営委員会:関係省庁の本部レベルでの戦略、技術的な問題を協議する二国間の委員会
(注2)国境運営員会:国境レベルでOSBP運営に関して協議、調整する委員会

また今回のカズングラ国境運営委員会には、アフリカ連合開発庁(AUDA-NEPAD)の職員も参加し、プロジェクトチームの一部メンバーも改訂に関わった「OSBPソースブック第三版」(注3)が紹介されました。
(注3)OSBPソースブック:越境貿易にかかる様々な障壁を取り除き、物流の円滑化と安全な陸路移動を導くガイダンスを提供すべく、2011年に第一版が発行されました。発行以来、アフリカの陸路国境手続きに関わる各関係省庁の本部職員や国境職員たちの「バイブル」として重宝されています。今般完成した第三版は、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の設立協定の発効と運用開始、COVID-19の感染拡大による国境での検疫システムの強化の必要性の高まり等、OSBPを取り巻く状況と課題が変化していることを踏まえ、改めてOSBPの政策的位置づけや課題、改善策を分析することを目的に改訂されました。

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カズングラ国境職員へのOSBPソースブック贈呈

2.第1回OSBP運営手続きマニュアル・レビュー会議の開催

カズングラとチルンドにて、「OSBP手続きマニュアル」(注4)の見直し・改訂に向けた第一回レビュー会議を開催しました。本会議では、税関、入管、警察、検疫関係等の職員(カズングラ:23名、チルンド:44名)が数日間に渡り現状と課題、マニュアル改訂案について意見交換をしました。

(注4)OSBP手続きマニュアル:OSBPの運営方法や通関手続き、国境職員の業務内容、OSBP運営の事業継続計画など、幅広い領域を取り纏めたマニュアルです。チルンドOSBPのマニュアルは10年以上更新されておらず、カズングラOSBPのマニュアルは2019年に作成されたものの発効されていません。COVID-19への対応として変更された手続きの反映、国境関係機関の間で重複する手続きの効率化など、マニュアルの再構築、内容の更新が必要になっています。

【画像】チルンドOSBP運営手続きマニュアル・レビュー会議のメンバー

3.第1回カズングラ国境職員向け研修の実施

カズングラOSBPにおいて、3日間に渡りOSBPの理念や運営・手続きに係る研修を国境職員向けに実施しました。ザンビアとボツワナの2か国合同研修として実施し、両国から計30名が参加しました。グループワークへの積極的な取り組みも見られ、活気のある研修となりました。