【地域経済統合】第三版OSBPソースブックが完成

2022年8月8日

アフリカ大陸における安全な陸路移動、モノの膨大な輸送コスト削減を支援

JICAはアフリカ連合開発庁(AUDA-NEPAD)と連携し、貿易円滑化を通じたアフリカの地域統合促進に向けて、One Stop Border Post(OSBP)の導入や機能化を支援しています。2022年6月、2機関の連携事業として完成した第三版OSBPソースブックが、TICAD-8シンポジウム(於:ヨハネスブルグ)で公表されました。

OSBPソースブックは、2011年の初版発行時からアフリカ国境手続き関係者の「バイブル」として重宝され、越境貿易にかかる様々な障壁を取り除き、物流の円滑化と安全な陸路移動を導くガイダンスを提供しています。今般完成した第三版は、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の設立協定の発効と運用開始、COVID-19の感染拡大による国境での検疫システムの強化の必要性の高まり等、OSBPを取り巻く状況と課題が変化していることを踏まえ、改めてOSBPの政策的位置づけや課題と改善策を分析することを目的に改訂されました。

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(左から)ジェニファー・チリガAUDA-NEPAD首席補佐官、トウェラ・ニレンダ・ジェレAUDA-NEPAD経済統合課長、中村俊之JICA理事、丸山則夫・駐南アフリカ共和国特命全権大使、ジョージ・カララチAfDBリードエコノミスト、アヨデレ・オデュソラUNDP南アフリカ常駐代表

「第三版OSBPソースブックには、国境手続き関係者がCOVID-19感染拡大を受けた陸路移動の困難に対処するために、国境でのヘルスプロトコルや、ウイルスの感染を防ぐ社会基盤整備など、パンデミックの教訓を取り入れたガイダンスを追加しました。」こう語るのは第三版OSBPソースブック改訂作業を統括したAUDA-NEPADトウェラ・ニレンダ・ジェレ経済統合課長。

同課長は、「本ソースブックはまた、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の運用に沿った人と資本の自由な移動に向けて、アフリカ地域統合を前提としたOSBPs運用のあり方を示しています。」とアフリカ大陸開発目標「アジェンダ2063」に沿った第三版OSBPソースブックの意義についても強調しました。

第三版OSBPソースブックの改訂作業では、コンサルタント(株式会社パデコ)が情報収集・分析を経て準備した改訂案を元に、関係者会合(1月・3月)及び検証会合(5月)を通じてOSBP関係者から収集した150以上の改訂案を反映しました。本ソースブックの普及により、JICAはアフリカ大陸における安全な陸路移動及びモノの膨大な輸送コスト削減を支援し、アジェンダ2063達成の道のりに沿ったアフリカ地域統合に寄与します。

第三版OSBPソースブック

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