2019年度ワーキング・グループ・ミーティングの開催

2019年9月2日

去る7月、プロジェクト対象5県(チラン県、ダガナ県、ガサ県、プナカ県、ワンディポダン県)を巡回し、プロジェクトのワーキング・グループ・ミーティング(以下WGM)を開催しました。プロジェクトが活動を展開する各県には、主に県レベルで行われる普及関連活動の調整メカニズムとしてプロジェクト・ワーキング・グループが設けられており、WGMはその年次総会といった位置付けの重要な会議です。プロジェクトからはプロジェクト・マネージャーのバジョ農業研究開発センター長、同センター園芸科長、各県担当カウンターパート、JICA専門家等が出席し、県政府からは議長を務める県知事を筆頭に県農業普及所長、県内各郡の農業普及員等が顔を揃えます。これら双方の関係者が一堂に会する中、プロジェクトの進捗や成果を確認し、今後の計画を議論・決定するものです。

WGMでは、県下の農家や郡農業普及員を対象に実施している園芸普及事業が主要な議題となります。冒頭にプロジェクト・マネージャーがプロジェクト全体の進捗概況を紹介した後、園芸科長がプレゼンテーションを行い、成果指標に基づく事業の達成状況と、新年度の活動方針を報告しました。報告を受けた県知事からは一様に、プロジェクトの取り組みに対する高い評価と、今後の展開に向けた一層の期待が示されました。
続いて県担当のカウンターパートから、当該県に関する前年度の事業実績と今年度の事業計画に関する報告がなされました。ここで重要なのは、前年度の成果をふまえ,次年度の普及事業をどのように実施するのかを協議することです。果樹/野菜普及プログラムの対象農家数や対象作物、さらには農家選抜に当たっての基準や対象郡等について活発な議論が交わされ、ワーキング・グループとしての合意が形成されました。
また、各県農業部門からの要望として、郡の普及員や農家を対象とする栽培研修をもっと設けて欲しいとの意見が多数聞かれたことから、野菜種子配布等の機会を利用して、生産現場での技術移転に繋がる活動を検討したいと考えています。

プロジェクトが終盤を迎える中、WGMも4度目(中途追加のガサ県は2度目)ということで、各県関係者のプロジェクトに対する理解が進んだことから、いずれの県においてもスムーズで建設的な話し合いが行われたとの印象です。プロジェクト活動の円滑な実施という目的にとどまらず、プロジェクト終了後の活動継続という観点からも、年に一度のみの開催ではありますが、県レベルの普及事業に携わる関係者が一堂に会し、普及活動の目的や手法を改めて共有することの意義は大きいと言えるでしょう。

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プロジェクトの成果を報告するバジョ農業 研究開発センター園芸科長(ダガナ県)

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議長として積極的にWGMの議論をリードするプナカ県知事(プナカ県)

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プロジェクトの進捗概況を紹介するプロジェクト・マネージャー(プナカ県)

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普及事業の活動実績・計画を報告する県担当のカウンターパート(ワンディポダン県)

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WGMでの協議の様子(チラン県)

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普及現場での課題や成果を報告する郡農業普及員(ワンディポダン県)

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WGMでの協議の様子(ガサ県)

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WGMの出席者たち(ダガナ県)

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プロジェクトが栽培した野菜に興味津々のダガナ県知事

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WGMの会場となったプナカ県庁