現地調査とケーススタディの作成

2018年7月6日

現地調査での情報収集

プロジェクトでは、研修講師養成の一環として、ケーススタディの作成を支援しており、2018年4月の講師養成研修(TOT)にて、ケーススタディ作成のための現地調査の準備を行いました。

それを受けて、以下の日程で、現地調査を実施し、ケーススタディ作成のために必要な情報収集を行いました。
1)2018年5月21日~24日 タケオ(Takeo)州
2)2018年6月4日~8日 クラチエ(Kratie)州
3)2018年6月11日~15日 シェムリアップ(Siem Reap)州

タケオ州では、階層別研修のうち、郡知事向け研修コース(上級管理者コース(注1)の一部に該当)の事例作成を担当する研修局職員8名が郡オフィスを訪問しインタビューを実施しました。ケーススタディのテーマは、1)廃棄物管理、2)公設市場管理、3)行政サービス、4)観光資源管理、5)人事管理の5つで、タケオ州の中の10郡の知事、副知事にインタビューを行い、現状や課題などについて聞き取りを行いました。

クラチエ州では、コミューン/サンカットの事務官向けの研修のテキストに用いるケーススタディを作成するために必要な情報を収集しました。ケーススタディのテーマは、1)市民登録、2)パブリック・フォーラム、3)証明書発給、4)公衆衛生についてです。インタビューは事前に準備した質問票に沿っておこなわれ、回答者から得られた情報は、良い点と悪い点に整理され、テーマの論点の絞り込みを行いました。

シェムリアップ州では、新人職員向けの基礎研修コースで使用するケーススタディ作成のため、6名の職員が現地調査を行いました。ケーススタディのテーマは、1)試用期間と正式採用、2)文書管理、3)移管された事務(注2)、4)行政サービスの4つで、郡の知事、副知事にインタビューするとともに、市民にもインタビューを行い、実際の市民の声を聞きました。

(注1)能力開発戦略枠組み(CDSF)では、以下の6つの階層別研修を開発・実施することとなっています。1)上級管理者コース(Advanced Management Course)、2)レベル2管理者研修(Management Level Course 2)、3)レベル1管理者研修コース(Management Level Course 1)、4)専門研修(Specialized Course)、5)基礎研修コース(Basic Training Course)、6)行政庶務コース(Administrative Secretary Course)。

(注2)中央から地方行政体に移管された事務(Transferred Function)。初等教育、保健福祉、ごみ処理など。

ケーススタディ(案)の発表・講評

現地調査の後、各担当者は、収集した情報を基にケーススタディ(案)を作成しました。2018年6月27日に、ケーススタディ(案)を発表し、講評する会議を行いました。

最初に、チーフアドバイザーが現地調査での気づきについて説明を行いました。良かった点として、スムーズなインタビューが実施された一方、主な改善点として、質問が漠然としすぎていること、詳細を訪ねる追加質問が少なかったこと、などが指摘されました。インタビューの際に5W1Hをより意識することやケーススタディを書くことを念頭に質問することの大切さを改めて伝えました。

その後、ケーススタディ(案)の発表に移りました。15のケーススタディ(案)が作成され、ケーススタディの目的、内容、受講者に対する質問などを作成者が説明を行いました。それに対して、ケースの内容は研修テーマと合致しているか、質問は妥当であるか、などについて評価表へ記載を行い、フィードバックを行いました。

今回の会議を踏まえて、評価表の結果を基にケーススタディの最終化に向けて必要な修正を行っていきます。

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郡のオフィス

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インタビューの様子

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評価表への記入

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ケーススタディ(案)への講評