2015年3月の活動

2015年3月31日

I.プロジェクト管理面に関わる活動

(1)週例会議の実施

3月第3週目に各郡との週例会議を開催しました。
週例会議での主な議題は次のとおりです。
・FFS活動と資材配布の進捗確認
・JCCの議題
・PDMの指標(FFSの苗木生産、植林本数の確認)

(2)合同運営委員会会議(JCC Meeting)の実施

2年次最初の合同運営委員会会議が準備され、4月2日に実施されました。
1月の同委員会会議以降の進捗が確認された。進捗の芳しく無い郡に対する厳しい意見も出され、議長や主要メンバーのオーナーシップが非常に高くなっていることが伺われました。同会議で、懸案であったPDM指標の合意がなされ、2年次1期のワークプランが承認されました。JICAエチオピア事務所からは神所長と当案件担当のアベラ氏が参加されました。

II.能力強化に関わる活動

(1)マスタートレーナー養成研修(ToMT(注1))ブロック2の実施

前回12月末から1月初めにかけて実施した1回目のマスタートレーナー養成研修(以下ToMT)に続き、2回目の研修を3月27日から4月1日までの5日間の日程で実施しました。主講師をケニアから迎え、研修トピックにより日本人専門家もファシリテーターを務めました。参加者は合計11人で、対象郡のチームリーダーとバックストッパー7人、プロジェクトのナショナルスタッフ3人に加えて、オロミア州森林局に所属するC/P1人も今回からオブザーバーとして全日参加しました。
主な研修トピックは以下のとおりです。
1日目:AESA(乾季)
2日目:FFSの抜き打ち訪問
3日目:バックストッピング方法:非識字者に配慮したAESA手法
4日目:灌水方法:月例会議のToday’s Topicの指導法の検討と準備
5日目:コミュニケーション・ファシリテーションスキル:ToMT年間カレンダーの作成

FFSへの訪問はToMTでは必ず実施することにしていますが、郡のC/Pが前もって訪問先のFFSに通知することで、普段のFFS運営の様子を観察することができないため、今回は研修参加者には、いつどこのFFSを訪問するかを知らせませんでした。ボラ郡の農民ファシリテーター主導のFFS1校と普及員主導のFFS1校を訪問しました。訪問したFFSは2014年の雨季始まりの第2ラウンドFFSでしたが、メンバーの欠席、ファシリテーターの不在、ラーニングサイトの不備、ラーニングセッションを実施しないなどの課題が見られました。一方で、圃場の手入れが行き届いているFFSもありました。今回のFFS訪問では、バックストッピングの際にこのような課題に気が付いた際に、どのように具体的に対処すべきかを学ぶことが主な目的であったため、訪問後にロールプレーイングで、サブグループごとに望ましいと考える方法を示しました。FFSセッションの最中でもバックストッパーがファシリテーターの代わりに課題解決を図る、セッションを中断してバックストッパーとファシリテーターだけで話をする、すべてのセッションの終了後に話をするなど、異なる対処法が示されました。プロジェクトとしては、課題が見つかった場合は、その場ですぐに介入し、対処するように指導しました。また、FFSファシリテーターやメンバーなどの態度の変化を促すためには、繰り返し模範の方法をやって見せることが重要であることを強調しました。次回のToMTまでに各参加者は上記方法でバックストッピングを実践し、その教訓をToMTで共有することが宿題として与えられました。

AESA手法、灌水方法、Today’s Topicの準備に関して、乾季のセッションが開始した現時点に取り扱うべき内容をグループごとに議論し、教え方を実践しました。AESAでは、非識字者のFFSメンバーに配慮するよう促したところ、草丈の計測値や葉数を数字で記録するだけでなく、長さを現すため紐に結び目を付けたり、数を示すのに同じ数の小石を用意したりなどの工夫がみられました。また、灌水方法では、乾季でアクセスできる水の量が限られている条件のもと、苗をどのように灌水するか、農家メンバーが入手できる資材の活用方法を検討し実験しました。さらに、グループごとに異なる資材を選択し、同じ水の量で灌水結果にどのような違いがでるか比較をしました。Today’s Topicでは、従来のテキスト教材を利用した説明にとどまらず、図や絵を活用したポスターの利用、実物を用いて示すなどの指導方法が提案されました。今後はToMTをToday’s Topicの準備と連携させて、月例会議をマスタートレーナーとしてファシリテーターを研修するOJTの場として活用していくことを目指していきます。

このように今回のToMTで、実際のFFS運営と月例会議に合わせた研修トピックを取り扱っていくことが明確に認識されたことから、今後8回のToMTで扱うべき研修トピックを検討した年間カレンダーを参加者全員で作成しました。FFSでの活動・イベントを考慮し、ToMTではファシリテーターへの指導を準備する場として、実践的な研修を継続する予定です。

(注1)Training of Master Trainers

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実際のFFSの抜き打ち訪問

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実物を用いた指導手法の検討

III.FFS実施に関わる活動

(1)第2ラウンドFFSの実施

グループからのプロポーザルを精査し、必要な学習資材についての配布を概ね終了しました。乾季の苗畑についての活動がスタートしました。実施数が多いリベンチュカラ郡で特に進捗が遅れています。すべての郡で果樹用の種子の調達の遅れ等の問題が出ています。

(2)第3ラウンドFFSの実施

グループからのプロポーザルを精査し、必要な学習資材についての配布を概ね終了ました。乾季の苗畑についての活動がスタートしました。第3ラウンドFFSは1月から開始したため、全般的に遅れが目立ちます。すべての郡で果樹用の種子の調達の遅れ等の問題が出ています。

(3)AGP資金によるFFSの実施

資材の調達について遅れが出ており、まだ活動が開始していません。

IV.情報共有に関わる活動

特になし。

V.その他

(1)事務所建設等支援

リベンチュカラ郡に建設中であった自然資源管理部の事務所が完成した。公的な受け渡しはイースター休暇明けを予定しています。

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