フォガラでの稲作の始まり

2017年7月31日

2017年7月

ティラフン・タデッセ(フォガラ国立イネ研究研修センター長)

フォガラ郡のジグナ村にダンバという地区があります。この地区には1980年代に500名の組合員を擁する農民組合がありました。ここで1984年7月に9人の専門家からなる北朝鮮の「エチオ・ジグナ開発プロジェクト」が、稲作と園芸の振興を目的に始まりました。北朝鮮プロジェクトはまず試験栽培から活動を始め、導入された品種の一つ、のちに「X-Jigna(エックスジグナ)」と命名された品種が地域に適していることが分かりました。その後、もっとも肥沃な区画10haを村内に選び、移植で稲作が開始されました。これがエチオピアで最初の広い面積での稲作でした。当初は移植でしたが、栽培面積の拡大に合わせて、移植から直播にシフトすることになりました。1990年、北朝鮮専門家は帰国し組合は解散しましたが、住民のほとんどは個別に稲作を続けました。稲作の重要性が認められたことで、フォガラでの栽培面積や稲作農民の数は1991年以降劇的に増加していき、北朝鮮専門家と共に初期の稲作導入を担った農民からイネの種子がその他の農民に広がっていきました。

写真は、北朝鮮チームと活動を共にした農民へのインタビュー風景と、当時北朝鮮チームが使っていた事務所です。

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