2019年5月のプロジェクトニュース

2019年5月31日

1.「第3回ラオス保健医療サービスの質改善フォーラム(仮称)」の第1回運営委員会会議

「第3回ラオス保健医療サービスの質改善フォーラム(仮称)」の第1回運営委員会会議を5月22日にビエンチャンで開催しました。「第3回ラオス保健医療サービスの質改善フォーラム(仮称)」は2019年12月にチャンパサック県で開催されることが決定しました。また、フォーラム運営のための事務局メンバーも選出され、第2回運営委員会会合に向け、事前準備のための6月中に開催地であるチャンパサックで事務局会合を行うことになりました。

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運営委員会会議の様子

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運営委員会会議の様子

2.第6回病院質基準による自己評価

プロジェクト対象の南部4県が5月31日までに第6回病院の質基準による自己評価を実施しました。なおこの評価では、2019年3月6日と7日に実施された第2回病院の質基準改訂会議において承認された改訂版の質基準と評価票が用いられ、(1)外来、(2)入院病棟の患者管理、(3)トイレ、(4)産褥大出血のケア、(5)子癇のケア、(6)産前ケア、(7)産後ケアの7つを対象とした評価を行っています。各県保健局は、病院の質管理委員会とともに評価結果の集計、グレーディングなどを行うとともに、改善課題を抽出、改善活動立案に取り組んでいます。

また、プロジェクトは県(郡)病院から県保健局への報告の流れを確立出来るよう引き続き支援していきます。

3.継続的質改善活動(KAIZEN、CQI)

南部4県の各県病院では、プロジェクトによって導入した病院の質基準に基づく評価を踏まえ、それぞれ、日常管理と継続的質改善活動に取り組んでいます。

臨床サービス(2Goods)と病院サービス(3Goods)

・サラワン県病院での改善活動の一つであるカンガルーマザーケア(注:新生児死亡率を低減させる一つの手法)導入のために、中央のチームによるアセスメントの準備を行いました。アセスメントは6月下旬に行われます。
・チャンパサック県では、産科緊急ケアの病院質基準やトレーニングモジュールを用いて県病院の産婦人科医師が郡病院の監督指導をすることが計画されていて、県病院と県保健局の関係者による準備(チームの立ち上げと予算書や企画書などの作成)がはじまっています。
・チャンパサック県病院では、青年海外協力隊(看護師)の吉田裕美子隊員が看護部の5S活動(整理整頓)をカウンターパートとともに実施中です。また、院内環境の改善に向けて危険予知トレーニングを企画することになりました。

病院のクオリティ・マネジメント

・サラワン県の質管理委員会は、改善課題を抽出する際に問題の要因を解析するには、数値データではなく、事実をもとにして検討した方が具体案な解決策を導きやすいことに気づき、他3県のプロジェクト対象県病院にも事例を共有しました。その結果、他県でも改善機会の議論のあり方について協議を始めるなど、要因解析方法そのものにも改善の取り組みがはじまりました。

4.第33回日本国際保健医療学会、全国大会でQHCプロジェクト発表がベスト口演賞を受賞しました。

第33回日本国際保健医療学会学術大会におけるQHCプロジェクトからの発表演題「主体的な質改善活動をどのように促すか?:JICAラオス保健医療の質改善プロジェクトによる病院の質基準と自己評価の導入事例」がベスト口演賞に選ばれました。

下記リンクから受賞メッセージをお読みいただけます。

日本国際保健医療学会第33回学術大会は、、2018年12月1日と2日に、東京都小平市にある津田塾大学にて開催され、総勢700名が参加しました。国際保健にかかる13セッション72演題(うちポスター発表として9セッション49題)の発表がありました。