2020年7月のプロジェクトニュース

2020年8月1日

1.南部4県のQHCモデルのルーチン業務の継続と評価活動

県病院と郡病院の自己評価と患者経験・満足度調査

アタプー県病院が7月に自己評価を実施したほか、セコン県のタテン郡病院、チャンパサック県のコング郡病院が7月に自己評価を実施しました。これでプロジェクトが展開対象とする南部4県11郡病院のうち自己評価を実施できていないのはセコン県ダクチュン郡病院を残すのみとなり、現在、セコン県保健局とともに実施に向けた支援を行っています。

県病院と郡病院の他者評価

県病院についてはすでに報告したとおり、2020年度は持続可能な他者評価の方法として県保健局による他者評価を行うことが決まっていて、現在、各県内で実施時期について検討、調整中です。

また、セコン県の質委員会は6月26日にダクチュン郡病院で、7月8日にタテン郡病院で他者評価を実施しました。ダクチュン郡病院は、上述の通りQHCプロジェクトの対象11郡病院の中で唯一、自己評価が未だ開始されていない病院でもあり、今回の他者評価時には自己評価の実施についても県の質委員会から助言が行われました。

看護委員会の役割について

南部4県病院の看護委員会は、これまで各県病院の看護委員会が(1)質管理業務に関わることの意義と(2)その病院にとっての強みの観点から、病院の質管理業務で看護委員会が果たすべき役割について文書化に取り組み、7月最終週にその第一稿が出揃いました。引き続きWeb会議システムを活用しつつ、改稿に取り組んでいきます。

2.質改善モデルの文書化

QHCモデルガイドライン

南部4県と週2回(火曜と金曜)の頻度で開催してきた執筆編集会議(遠隔会議)が7月17日に終了しました(計12回)。この会議で作成したガイドラインの内容およびその導入事例が7月23日に行われたコンサルテーション・ミーティングにて保健省ヘルスケア・リハビリテーション局(DHR)局長へ報告されました。

ケースレポート

南部4県からの第4回目の原稿提出が6月最終週に完了し(第1回は3月23日、第2回は4月22日、第3回は5月28日)、英文翻訳を経て、現在、日本人専門家によるコメントを踏まえた改訂作業が進められています。また、同レポートの要約を作成する作業にも取り組んでいます。

郡病院への展開ガイド

県保健局と県病院が実施してきた郡病院へのQHCモデル展開活動と現在実施しているフォローアップ活動の手順を「QHCモデルの郡病院への展開ガイド」としてまとめるべく、現在、各県保健局と協議調整が行われています。

3.QHCモデルガイドラインの出版に向けて中央保健省が動き出しました

QHCプロジェクトで進めてきた、QHCモデルガイドラインの内容を南部4県における導入事例が、保健省ヘルスケア・リハビリテーション局(DHR)のテクニカルスタッフと南部4県のスタッフによって、同局の局長(QHCプロジェクトのプロジェクト・ダイレクター)へ7月23日(木)に報告されました。南部4県の事例をラオスの保健医療施設に適用できるように一般化してきたQHCモデルガイドラインは、本コンサルタティブミーティングをもって、保健省が最終化し、出版する過程へと移行しました。また、本報告会では、ラオス国における医療の質改善の実践経験共有機会である「第4回ラオス保健医療サービスの質改善フォーラム(通称ラオフォーラム)」を首都ビエンチャンにて、2020年1月第2週までに開催することに合意しました。

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準備会合の様子(7月22日)

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コンサルテーション・ミーティングの様子(7月23日)