2020年9月のプロジェクトニュース

2020年10月1日

1.南部4県の質改善モデル(QHCモデル)のルーチン業務の継続と評価活動

県病院の自己評価と患者経験・満足度調査

第9回目の自己評価は8月までに完了、チャンパサック県病院は第10回自己評価を終了、セコン県病院は現在実施中、サラワン県病院とアッタプー県病院は準備中の状況です。
患者経験・満足度調査は、9月末までに、セコン県は3回実施、他3県は2回実施したことを確認しました。セコン県病院、アッタプー県病院、チャンパサック県病院はプロジェクトがデータ整理と分析を支援し、結果をサマリーシートにまとめたところです。サラワン県は独自に分析を実施しています。

県病院の他者評価

サラワン県は9月10日、アッタプー県は9月23日に県保健局による他者評価を実施しました。県保健局が県病院の他者評価を実施することは病院と保健局双方にとって有用と考えており、今後も継続的に実施することを検討しています。なお、チャンパサック県は他者評価を10月14日、15日に実施予定。セコン県は10月中に実施する予定で日程調整中です。

郡病院の自己評価

アッタプー県とセコン県では7月から対象郡病院において毎月、自己評価を実施して9月も予定通り行われました(なお、アッタプー県は対象郡病院以外のすべての郡病院で毎月、自己評価を行っています)。サラワン県とチャンパサック県の対象郡病院では3か月ごとに自己評価をすることになっていて、9月から10月にかけて順次、実施中です。

表(2020年の実施実績)
Province Target DHs 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
Champasak Paksong 実施       実施              
Khong     実施     実施            
Moonlapamok 実施       実施 実施            
Champasak 実施 実施 実施     実施     実施      
Salavan Kongxedone 実施       実施              
Vapi 実施         実施            
Samuay 実施       実施              
Sekong Thateng 実施 実施 実施 実施   実施 実施 実施 実施      
DakCheung             実施 実施 実施      
Attapeu Phouvong   実施 実施     実施 実施 実施 実施      
Saysettha     実施 実施 実施   実施 実施 実施      

郡病院の他者評価

チャンパサック県保健局と県病院の質委員会は、9月7日から14日に対象4郡病院において他者評価を実施しました。

各県の日常管理と継続的質改善活動

各県病院は、引き続き、第9回自己評価の結果から抽出した改善課題に取り組んでいます。
・チャンパサック県保健局は、県病院の質改善を目指した実態調査を計画、患者インタビューの質問票を作成しました。患者インタビューは10月中に実施される予定です。
・チャンパサック県病院は、JICAラオス事務所の支援を受けて、10月17日の世界手洗いデー向けに動画制作を行っています。
・サラワン県病院では、これまでコピー用紙であった外来のサービス手順とサービス提供時間のボードを作成し待合室の壁に配置しました。また、患者満足度調査結果の結果をもとに待合室の椅子を増やしています。また、患者が病院内を簡単に移動できるように、古い建物と新しい建物をつなぐ、1階から2階にかけてのスロープが建設中です。

【画像】

増設された外来の待合室の椅子(サラワン県病院)

【画像】

建設中の新旧建物をつなぐ、1階から2階にかけてのスロープ(サラワン県病院)

2.実践経験共有機会(第4回ラオ・フォーラムの開催に向けて)

2020年度ラオ・フォーラムの第2回準備会議が9月30日にビエンチャンで行われました。第4回ラオ・フォーラムは2021年の1月に首都ビエンチャンで開催されることが仮決定しました。前回会議を受けて、準備・運営のための各チームのメンバーがおおよそ決まったほか、具体的な役割分担についても話し合いが行われました。フォーラム開催の大臣決裁を得るための企画書、フォーラムのプログラムについても骨子が固まり、具体的な議論が始まりました。また、フォーラムで行われる演題発表については10月23日を締め切りに演題の募集が国内で行われています。
また、準備会では、フォーラムに引き続き、QHCモデル・セミナーを実施し、ラオス各県の実務者を対象としたQHCモデル紹介と研修を行うことで合意しました。企画・運営は熱帯公衆衛生研究所(TPHI)、保健省DHRとQHC/JICAが担当します。

3.質改善モデルの文書化

(1)QHCモデルガイドライン

9月23日までに本文原稿の用語確認と序文の原稿ができあがりました。さらに、DHR局長の謝辞とともに本文レイアウトの作成を進めています。

(2)ケースレポート

レポート本文の内容がほぼ固まり、要約も完成しました。現在は各県ごとに内容の最終確認と序文と謝辞の作成、県保健局局長の合意取得の作業を進めています。

(3)QHCモデルの郡病院への導入実践ガイド

9月15日から、週1回の執筆編集会議を南部4県と共に開催し、QHCモデルが全国に展開された後の郡への導入をサポートする文書として作成しています。10月には会議を週2回に増やし、完成を急ぐことにしています。

4.専門家の帰任

9月13日、チーフアドバイザーがラオスに帰任し、28日には入国後2週間の隔離も明けて通常業務に復帰しました。10月上旬にはパクセ出張を計画しています。また、母子保健と看護の専門家も9月27日ラオスに渡航、入国後の隔離期間を経て10月中旬にはパクセに帰任予定です。