2020年11月のプロジェクトニュース

2020年12月1日

対象県・郡病院の自己評価と患者満足度調査、他者評価の実施状況

4県病院では、セコン県、サラワン県、アッタプー県病院が年3回の自己評価実施という目標を達成しました。チャンパサック県病院は12月に自己評価を行う予定です。

患者経験・満足度調査は、セコン県病院とアッタプー県病院は年3回の調査という目標を達成ずみで、チャンパサック県病院とサラワン県病院は年度内にあと1回の調査を行う必要があり計画中です。

他者評価は、チャンパサック県は保健局の質改善委員会メンバーの再編成が完了せず、他者評価が延期となっており、保健局新局長に活動の進捗報告と質改善委員会メンバーの再編成を促しました。セコン県は保健局の質改善委員会メンバーの再編成が完了し、JCC後に実施する予定です。

対象11郡病院では、すでに9郡病院が2020年に3回以上の自己評価を実施するという目標を達成していて、残るチャンパサック県のパクソン郡病院とコーン郡病院も、12月に3回目の自己評価を予定しています。県保健局による他者評価は全郡病院が実施済みです。

各県の日常管理と継続的質改善活動

各県病院は、引き続き、第10回、11回の自己評価の結果から抽出した改善課題に取り組んでいます。

・サラワン県病院ではカンガルーマザーケア(KMC)の質改善に取り組んでいて、サービスの成果を測定するための患者インタビューを実施し、その成果をまとめているところです。
・セコン県病院では、正常分娩後のケアの改善や前回帝王切開術後の経腟分娩トライアルに取り組んでいます。また前回帝王切開術後の経腟分娩トライアルの40症例の成果を分析した結果、安全性と有用性が確認できたため、今後もこのサービスを継続していく予定でサービスの標準化に取り組み始めました。
・アッタプー県病院では、以前に作成した独自病院質基準を活用しながら新生児蘇生の質改善に引き続き取り組んでいて、看護師を対象とした院内トレーニングの定期実施とともに、技術を測定するための評価票を作成しました。
・チャンパサック県保健局は、県内の医療施設の質改善の資料とすべく実施した実態調査の結果を分析中です。
・チャンパサック県病院ではJOCVと看護部が協力して衛生学的手洗いの動画を作成し、病院のWhatsAppグループラインで全スタッフへ配信しました。
・また、チャンパサック県病院では、COVID-19対策として病院入口前の駐車場にスクリーニング場所を設置し、感染対策を行うよう導線の改善が行われました。
・セコン県タテン郡病院では患者対応の改善・スタッフの仕事に対する意識改善のため、スタッフ向けに病院独自のトレーニングを実施したほか、感染予防管理(IPC)の実務研修を実施するなど改善活動に取り組んでいます。

超音波トレーニングの実施

11月4日から12日まで、セコン県病院で超音波トレーニング(産科・婦人科・腹部一般)を実施しました。保健省が保健センターへ1台、セコン県保健局が保健センターへ3台のポータブル型超音波器材を導入したもののトレーニングや超音波器材のセットアップを実施できる人材が県内におらず使用を開始できない状態であったため、プロジェクトへトレーニングの実施要請があり実現したものです。研修参加者は郡病院と保健センターのスタッフ計7名で、講義と実地指導を交えて指導し、参加者は器材の使い方と胎児計測、腹部臓器の見方について学びました。

病院看護部(委員会)のクオリティ・マネジメント

継続的質改善活動の一環として、病院における改善成果や改善活動の「維持」に寄与することを目的に、南部4県病院の看護委員会は、病院の質管理業務で果たす看護委員会の役割(TOR)を作成しています。この体制を病院内に正式に設置し動かすために、南部4県病院の看護委員会、質委員会、看護アドバイザーである副院長がチャンパサック県病院に集まり、11月19日と20日にチャンパサック県病院で看護の実践経験共有機会会議を開催しました。

各病院の看護管理の経験を共有したほか、看護アドバイザーであるラオス健康科学大学看護学部副学部長とマホソット病院看護部長から看護のスタンダードや中央病院の看護管理を学び、TORを完成させました。今後、TORは各病院内で公式文書の承認を得るとともに、公式ガイドラインとの整合性を確認していく予定です。

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11月19日と20日に開催した看護の実践経験共有機会会議の様子。グループワークで中央のアドバイザーが指導している。

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11月19日と20日に開催した看護の実践経験共有機会会議参加者。