国REDD+成果の報告と成果支払いに向けての支援が進んでいます

2020年2月7日

2020年2月3日~7日

F-REDDはラオスの森林参照排出レベル(FREL)算定(注1)に続き、第1回国家MRV(注2)の支援を行っています。これはFRELの2005-2014年ベースラインに対して、2015-2018年の間にどれくらいの排出削減・吸収増加の成果が得られたかを測り、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)に報告し、検証を受けるものです。

2019年に実施したリモートセンシングによる土地・森林被覆変化の分析と、国家森林インベントリ調査(NFI)による森林バイオマス測定の結果から様々な分析をしたところ、2015-2018年の合計で約12.8百万tCO2eの排出削減と1.9百万tCO2eの吸収増加の達成が算定されました。つまり想定されたレベルよりもラオスの森林減少・劣化の抑制による温室効果ガスの排出が減っていること、一方で森林回復による温室効果ガスの吸収が少しずつ進んでいることを表しています。これは、ラオスがドナー等と協力してREDD+を推進してきた努力が実を結んだものとして大変喜ばれています。

このREDD+成果を受けて、ラオス政府とJICAは緑の気候基金(GCF)のREDD+成果支払いパイロットプログラム(注3)(注4)への申請を目指すこととしました。本年2月にJICA地球環境部(森田次長、伊東職員)がビエンチャンを訪問し、森林局と今後の方針や作業計画を協議しました。この先、JICAがGCF認証機関として申請者となり、今年中のコンセプトノートの提出と、続くファンディング・プロポーザルの提出に向けて、綿密な協力が求められます。

このパイロットプログラムへ申請するには、セーフガード実施体制の構築やUNFCCCによる第1回MRV結果の検証完了、成果支払いを森林管理に再投資するための計画策定など、複数の基準をクリアする必要があります。REDD+成果支払いへの道筋が具体的に見え始めたことで、これらの取り組みを加速させながら協力を続けたいと思います。

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JICA森田次長と農林省トンパット副大臣の面談