水利組織会計研修

2018年11月20日

2018年11月19日~20日

「水利組織」をご存知でしょうか?日本では「土地改良区」「水利組合」といった組織がそれにあたり、潅漑施設(ポンプ、水路)の維持管理・運営、潅漑をしている農家から徴収する水代の管理、施設の補修費や水利組織の運営経費の支出管理等を行っています。

水利組織の財源は農家から徴収する水代です。そのため、水利組織の収入と支出の管理は透明性が求められます。また、持続的に潅漑施設を使用するために長期的な修繕積立を行う必要があります。

現在、プロジェクトサイトの水利組織は、水代未納の農家を多く抱えており必要な収入を確保できていないこと、日々の収入と支出の記録が不十分なため組織の収支状況を組合員農家に提示できていないこと、長期の修繕積立がほとんど行われておらず、大規模な施設改修に対応できないこと等、組織の会計状況の改善が急務となっています。

このことから、郡農林事務所の水利組織担当者、水利組織の組合長及び会計責任者を対象に会計研修を実施しました。

この研修では、各水利組織が使用している会計簿を持参してもらい、その記録を元に年間の収支結果をとりまとめてもらいました。優良な組織は、詳細な収支記録をつけており、年間収支も非常に分かりやすく取りまとめることができ、他組織の組合長及び会計責任者にとって非常に参考となりました。

また、長期の修繕積立を行うために、まず長期修繕計画を作成しました。これまでは、長期的な施設機能の低下を考慮することなく、毎年毎年の機能低下や故障に応じて対処していた水利組織の参加者にとって将来の施設の損傷や劣化を予測して計画を立てるのは非常に難しいようでした。しかし、郡農林事務所の担当者のサポートの下、各水利組織は計画を作成することができました。今後は、水利組織内で再度議論してもらい、計画の見直しを行い、それに基づいた修繕費の積立を開始していく予定です。

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各水利組織の会計簿の紹介

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郡事務所職員のサポートを受けながら計画作成

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完成!