71.Monthlyハイライト

2023年4月5日

2023年3月

3月は一年で一番暑くなる4月のラオス正月(ピーマイラオ)に向けて気温が一気に上昇しました。朝夕と日中の温度差が激しい中、長期専門家、短期専門家ともに多くの活動を実施しました。

a.Output1:都県水道戦略説明会の開催(中部地域)

中部地域を対象とした都県版の水道戦略策定の説明会が3月21、22日の2日間、首都ビエンチャンで開催されました。首都ビエンチャン、シェンクワン県、ビエンチャン県、ボリカムサイ県、サイソンブン県の5都県から、それぞれ県公共事業運輸局(局長級と水道担当者)と水道公社(総裁級と担当者)が参加しました。

説明会では、基本となる政府版の水道公衆衛生戦略の詳細説明や策定手順、構成等についての説明や、事前に依頼し回答してもらっている、県公共事業運輸局の水道セクターでの業務の現状を聞いたアンケートの集計結果についても情報共有をしました。

各県公共事業運輸局からは早期に策定に取り組む表明があり、水道公社からも策定に向け県公共事業運輸局と協力していくことも確認できました。

今後はしばらく公共事業運輸省水道局(DWS)やプロジェクト側からは問い合わせはせず、各県の取り組み姿勢を尊重するようにし、過度にならないように競わせドラフトの作成状況を確認していきます。確認後いくつかの県を選考し、現地訪問して直接支援する予定です。

b.Output2:パイロットプロジェクト第2バッチ実施3県巡回

2月6日から活動を開始している濱野直樹専門家(さいたま市水道局)がパイロットプロジェクト第2バッチ実施3県を巡回しました。サイニャブリー県とポンサリー県は管路布設工事が開始されており、想像を上回る速さで工事が進められていることが確認されました。水道公社が作成する施工計画とは別に、郡知事による意向や一部でもピーマイラオまでに給水したいという思惑があるようです。しかしながら、MaWaSU2は技術協力プロジェクトであることを説明し、専門家は工事現場を確認しながら施工管理の能力向上につながるアドバイスをしました。シェンクアン県は管路布設工事が始まっていないことから、同行したJICAラオス事務所調達班の所員とともに調達済みの資機材の管理状況を確認しました。資機材は鍵のかかる倉庫で保管されていましたが、納品時のままで分類や整理がされていない状況だったため、サイニャブリー県やポンサリー県の整理状況の写真を共有し、管路布設工事が開始されるまでに改善するようアドバイスしました。

c.Output3:技術基準の制定に向けたDWS内部手続の継続実施

2月より技術基準指針案に関するDWS内部審査を継続実施しています。専門用語のラオス語の表現方法の修正のほか、基準に記載された図表や写真、計算式などのDWS担当職員の理解促進を専門家とともに実施しています。

現在はDWS局長により全ての章を一旦確認されて、わかりやすい言葉への修正や参照元の記載等の指示に従い、校正作業を継続しています。DWS局長を含めて作業を繰り返しながら、技術基準の最終化を進めています。

d.Output4:計画(SC3)&財政(SC4)のOJT活動

3パイロット水道公社を訪問し、集中的に計画(SC3)&財政(SC4)のOJT活動を実施しました。OJT活動では新会計基準による会計処理の現状のほか、中長期計画の事業費を確認し、事業の平準化など事業実施の実現可能性を考慮した計画策定手順を指導しました。ラオスでは、新型コロナウイルスの影響で水道料金収入が落ち込み、厳しい財政状況が続いています。ルアンパバーン県水道公社では料金値上げがされ観光も復調されつつありますが、配水量に対して用水供給への負担が大きく、また有償プロジェクトの返済が迫ってる首都ビエンチャン水道公社や収支が赤字のカムアン県水道公社については、財政収支見通しからみても料金値上げ緊迫の課題となっています。

DWSが定めた「水道料金に関する政令」(2022年11月)、「水道料金体系の決定に関するガイドライン」(2023年1月)の内容理解の促進とともに、水道料金の単価設定方法について指導し、料金改定の支援活動を実施しました。

e.Output4:北部6th Mini-Workshopの開催

3月1、2日の2日間で、ルアンナムター県にて第6回Mini-Workshop(北部)を開催しました。テーマは先月の南部同様、1)分科会(SC2)のCustomer Relationsと、2)水道メーターの精度を確認するためのテストメーターに関する研修です。

1)適正な検針・集金業務を実施するには給水停止に関するルールを徹底すること、2)テストメーターの実習では供与機材以外の簡易流量計などを用いて水道メーターの精度を確認しました。北部では、公共・政府機関の水道料金未収問題に対して、水道公社の理事会を通じて県行政と交渉をすることによって改善されていると報告されています。

f.Output4:中部6th Mini-Workshopの開催

3月15、16日の2日間で、首都ビエンチャンにて第6回Mini-Workshop(中部)を開催しました。

1)SC2では首都ビエンチャン水道公社(NPNL)で導入している料金システムや、携帯アプリを活用した水道料金支払いの紹介、2)テストメーターの操作と活用方法の説明のほかに、商工業省が2年ごとに実施している水道メーターの検査に関する計画作成と実施にNPNLが協力している事例が紹介されました。中部でも公共・政府機関の水道料金未収問題の改善に理事会を介して取り組んでおり、その他料金未払いの使用者に対して督促用の車両による料金徴収や村長と協力しながら支払いを促している事例が紹介されました。

【画像】a-1 都県水道戦略説明会の様子

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b-1 管路布設工事の様子(サイニャブリー県)

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b-2 管路布設工事視察後に施工管理についてアドバイスする濱野専門家(中央)

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b-3 工事アルバム用の写真を撮影する水道公社職員(ポンサリー県)

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b-4 管路布設後の状況を確認しアドバイスする濱野専門家(右)

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b-5 納品された時の状態で保管されている資機材(シェンクアン県)

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b-6 品名とともに整理整頓された資機材(シェンクアン県訪問2週間後)

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b-7 品名とともに整理整頓された資機材(シェンクアン県訪問2週間後)

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c-1 技術基準DWS内部審査会の様子(中央:佐伯専門家)

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d-1 ルアンパバーン県水道公社 計画(SC3)&財政(SC4)OJTの様子(右:鈴木専門家)

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d-2 首都ビエンチャン水道公社 計画(SC3)&財政(SC4)OJTの様子(左:鈴木専門家)

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d-3 カムアン県水道公社 計画(SC3)&財政(SC4)OJTの様子(左:鈴木専門家)

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e-1 北部6th Mini-Workshop(SC2:Customer Relations)の様子

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e-2 北部6th Mini-Workshop(テストメーター研修)の様子

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f-1 中部6th Mini-Workshop(SC2:Customer Relations)の様子

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f-2 中部6th Mini-Workshop(テストメーター研修)の様子