72.Monthlyハイライト

2023年5月23日

2023年4月

4月14~16日はラオス正月(ピーマイラオ)です。3年ぶりに新型コロナウイルスによる制限がなく、街中は水かけなど大いに盛り上がっていました。ピーマイラオ後は5月中旬から始まる終了時評価に向けた準備を開始しました。

4月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a.Output1:都県水道戦略説明会の開催(北部、南部地域)

3月に実施された中部地域と同様、北部(ルアンパバーン県)、南部(チャンパサック県)それぞれの地域で都県水道戦略の説明会が開催されました。内容は中部地域のものとほぼ同じで、参加者も県公共事業局と水道公社からの参加になります。

質疑応答では、中部地域同様、県水道担当の人材不足や能力不足のため、県行政があまり機能していないことや、国や水道公社との調整連絡がうまく進められていない等の課題が挙げられました。

政府版の水道戦略において、民間事業者参入の推進が記載されています。すでに民間事業者が参入している県も多くあり、今後さらに増えることが想定されますが、上記課題もあり、県行政による管理監督が適切に実施されていない現状にあります。これらの課題に対し、今後県の役割がますます重要になってくることや、都県水道戦略の中で可能な限り整理していくことの共通認識を持つことができました。

県によって組織力や個人の能力、考え方や仕事の進め方が様々なのは今回改めて確認しましたが、意見交換において、ある県は現行水道法内でできることできないことの整理だけでなく、水道法の改正も見据えた中で、水道セクターをどうしていきたいのかという先進的な考えを持っている県もあります。

今月の説明で18都県すべてに都県水道戦略策定の説明を終えることができました。多くの意見、情報が集まりましたので、今後はこれらをまとめ次の活動に繋げられるようにしていきたいと思います。

b.Output2:パイロットプロジェクト第2バッチ:サイニャブリー県訪問

サイニャブリー県水道公社から管路布設が80%に達すると報告を受け、ピーマイラオ後に現地を訪問しました。ほとんどの布設位置でコンクリートやアスファルトなどの障害物がなく予定よりも早く管路布設が行われたことを確認しました。しかし、一部の布設位置で広範囲に亘って岩場が形成されていたり、橋梁付近で布設位置を確保できないなど設計変更が必要な場所が散見されました。今後、このような細かい点の対応を経て安全・安心・持続の3Sを確保した水道施設整備が望まれます。

c.Output2:カムアン県水道公社新型コロナウイルス対策特別枠プロジェクトの進捗

新型コロナウイルス対策特別枠の進捗を工程表で確認し、予定どおり工事が進み、現在配水支管と弁室などの施工を実施し6月末完了を目標に施工しています。タケーク市内では配水池・配水塔で3つの配水ブロックがあり、今回の工事で新たにDMA用の配水流量計を設置するため、タケーク市内の配水系統図を用いて、配水ブロック及びDMAの範囲について意見交換を行ないました。工事完成後を見据え、夜間最小流量の調査など漏水削減の対策を検討している段階です。

d.Output3:ルアンパバーン県水道公社とのOJT

技術基準の理解促進のためルアンパバーン県水道公社のSTTメンバーとOJTを実施しました。技術基準の教本を用いて、特に総論の水道施設基本計画について詳細を説明し、水道・公衆衛生戦略で掲げている2030年までの新たな水道整備・拡張について意見交換を行ないました。ルアンパバーン県では27地区の開発がリストアップされているものの、具体的な計画給水区域や水需要予測、記載されている概算費の根拠など水道公社には共有されていない部分も多く、国、県と水道公社の役割分担について議論を交わしました。水需要予測に応じた水道施設の整備が非常に重要であることはC/P全員が認識しています。

技術基準のDWS内部審査は継続実施されています。

e.Output4:カムアン県水道公社とルアンパバーン県水道公社とのOJT

2つのパイロット水道公社を訪問し、終了時評価・詳細計画等の今後のスケジュール、全国のフォローアップ活動の継続、LWWA活動の方針を共有しました。

カムアン県水道公社では、本邦研修の準備としてSC3&4(計画&財政)とOJTを実施し、Covid19の影響を考慮した水需要予測の見直し、料金ポリシーの条件に当てはめた料金改定シミュレーションについてOJTを実施しました。

ルアンパバーン県水道公社では、SC1&2(データ管理&Customer Relations)で新規給水区域における水道普及活動、水道普及率や未収率などPIを活用した各郡での評価・分析、SC5(水質)では本邦研修後のアクションプランを局内に報告したほか、水質検査報告書を作成し、小規模の浄水場を含めて供与機材を用いて水質検査が実施されていることを確認しました。

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a-1 集合写真(北部地域)

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a-2 説明会の様子(南部地域)

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b-1 管路布設現場で進捗を確認する野澤専門家(左から2人目)

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b-2 橋梁付近で布設位置を確認するPPTTメンバー(手前及び中央)

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b-3 管路布設後の充水計画についてCPと協議する野澤専門家(右)

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b-4 サイニャブリー県の拡張地域での井戸水運搬による生活の様子

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c-1 カムアン県タケーク市内の配水系統図

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c-2 カムアン県タケーク市内の流量計室施工の様子

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d-1 ルアンパバーン県の開発計画(水道・公衆衛生衛生戦略抜粋)

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e-1 ルアンパバーン水道公社のナムカン浄水場の水質検査ラボの様子(1)

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e-2 ルアンパバーン水道公社のナムカン浄水場の水質検査ラボの様子(2)

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e-3 ルアンパバーン水道公社プープン浄水場の水質検査ラボと検査記録の様子(1)

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e-4 ルアンパバーン水道公社プープン浄水場の水質検査ラボと検査記録の様子(2)