73.Monthlyハイライト

2023年6月7日

2023年5月

5月23日からMaWaSU2の終了時評価が始まりました(終了時評価はプロジェクト終了約6ヵ月前に実施)。終了時評価の準備の合間を縫って精力的な活動が実施されました。

5月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a.Output1:基金委員会パイロットプロジェクト振り返り報告会参加

「Output2:基金委員会へのパイロットプロジェクト振り返り報告会開催
」に記載のとおり、基金委員会メンバーは5月16日に開催されたパイロットプロジェクト報告会に出席しました。今後、Output2パイロットプロジェクトの教訓を「基金計画」に反映していきます。

b.Output2:パイロットプロジェクト第2バッチ:シェンクワン県訪問

5月3から4日にシェンクアン県を訪問し、Output2のプロジェクト進捗を確認しました。シェンクワン県水道公社の工事は約17Kmの管路拡張で大きく2つのゾーンで工事を予定しています。工事進捗は管材量ベースで約35%の工事が完成しています。資機材倉庫を改善し、種類別にしっかり整理整頓されています。拡張区域では、現在ナムリン(井戸水や湧水)を生活用水、灌漑用水に使用しており、今回布設する水道管に輻輳している地区があります。一方、ナムリンの管路は図面管理されておらず、掘削作業中に破損してしまうケースが多く、訪問した際もナムリンの管路修理が行われていました。これから施工する地域には電線などが埋設されており、地中埋設物を破損させないよう人力掘削による試掘をすることや、今後の維持管理のために、しっかりとした竣工図の管理の必要性について認識を深める機会となりました。

c.Output2:パイロットプロジェクト第2バッチ:第2回3県合同月例会議開催

5月5日にOnline会議による第2回3県合同月例会議を開催しました。同会議は、3県の進捗確認とともに、お互いの施工監理における取組みや課題を情報共有することが目的です。シェンクアン県水道公社からは、施工監理研修で説明した内容を実践し資材倉庫を改善した事例や、GSPのフランジ部をしっかり塗装することで防食対策とともにボルトナットの盗難防止にもなることが報告されました。プロジェクトが完了するまで定期的に開催する予定です。

d.Output2:基金委員会へのパイロットプロジェクト振り返り報告会開催

5月16日にパイロットプロジェクト実施・運営の振り返りをOutput1基金委員会へ報告する会合を開催しました。当初は3月中旬に開催する予定でしたが、PPTT(Pilot Project Task Team)メンバーが第2バッチの準備を始める2022年3月に一新され、第1バッチや1.5バッチの取り組みを含めた包括的なパイロットプロジェクト実施・運営について理解を深める必要がありました。そのため、10に絞ったパイロットプロジェクト実施・運営の要点について、約1か月間、合計4回のPPTT会議で理解を深める期間を持ちました。その効果もあり、報告会では専門家から補足発言をする必要もなくパイロットプロジェクトの教訓を基金委員会へ報告することができました。また、専門家からのアドバイスはなかったものの、PPTTメンバー自らが事前に議論ポイントを準備し議論を活発化させるなど頼もしい一面を垣間見ました。

e.Output2:パイロットプロジェクト第2バッチ:ポンサリー県訪問

5月17・18日にポンサリー県マイ郡を訪問し、Output2のプロジェクト進捗を確認しました。拡張区域はA、B、Cの3つのZoneがあり、延長ベースで約45%の進捗状況です。現地訪問では橋梁部の施工状況や、布設した管路の水圧テストを確認しました。シェンクワン県の事例を見習い、錆びたフランジ部の塗装がされていたこと、水圧テストでは0.75Mpaの圧力をかけて漏水がないことを確認しました。資機材管理も整理整頓され以前の状況が改善されていました。ポンサリー県は季節によっては涼しい土地柄ですが、現在は気温が40度を超えています。日中は炎天下での作業になる一方、雨期になると道路状況はぬかるみ作業が困難なため、雨期の前にできる限り施工を完了させる予定です。日本とは異なる気候による施工環境の違いを実感します。

f.Output2:フアパン県エト・シェンコー郡:日本大使館草の根無償資金協力申請支援

フアパン県エト・シェンコー郡では、マー川を水源とし水道が整備されたものの、河川で鉱山掘削された経緯や、取水塔内のポンプが土砂流入により故障していることから、取水口で十分な取水ができず、給水量が制限された運用が余儀なくされています。そのためフアパン県は草の根・人間の安全保障無償資金協力の申請を行ない、今回日本大使館の現地訪問に同行しました。プロジェクトでは、申請書を作成するにあたり、水道事業のこれまでの経緯、現在の施設運用状況の整理、水道施設の改良方針・設計を論理的に説明できるよう支援を行なっています。

g.Output3:DWS内部審査会継続

技術基準は、専門家との協働により図表などの校正作業を進め、ドラフトを印刷の上、DWS局長を含む内部審査会を継続実施しています。

h.Output4:本邦研修準備

6月26日から7月6日の期間、計画(SC3)と財政(SC4)部門の本邦研修を実施する予定です。アプリケーションフォームなどの手続き書類作成のほか、今回の研修テーマである事業計画、料金改定に関して、これまでOutput4の活動で作成された水需要予測や事業計画、財政収支に関する資料をブラッシュアップすることが今回の研修の目的であることをC/Pに説明した上で、研修で学びたい内容について意見交換を行いました。

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a-1 基金委員会へのパイロットプロジェクト振り返り報告会集合写真

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b-1 シェンクワン県工事現場(ナムリンの管路を修繕中)

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b-2 シェンクワン県資機材倉庫(材料ごとに仕分管理)

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c-1 パイロットプロジェクト第2バッチ3県合同月例会議の様子

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d-1 基金委員会へのパイロットプロジェクト振り返り報告会の様子

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e-1 ポンサリー県水道公社による管路布設後の水圧テスト

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e-2 橋梁部の管路布設後の様子(フランジ部を塗装)

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f-1 フアパン県エト・シェンコー郡浄水場にて現地ヒアリング(左:日本大使館 松山氏)

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f-2 フアパン県エト・シェンコー郡の仮設取水ポンプ