プロジェクトが開始されました!!

2018年8月21日

本プロジェクトでは2018年7月23日に田村豊光専門家(看護行政)が、8月20日には松原徳和専門家(チーフアドバイザー/法令整備)と高島和音専門家(業務調整)がそれぞれ着任し、プロジェクトが開始されました。

背景

日本政府は、ラオスの持続的な発展に向けた日本とラオスの開発協力共同計画を取りまとめています。この計画では、ラオス政府が目指す将来像として保健医療分野を含めた社会基盤整備の確保を掲げています。また、対ラオス国別開発協力方針の中でも保健医療を優先分野に位置付けており、長年に渡る支援の中で同国保健省と良好な協力関係を築いています。
このような背景のもと、JICAは2005年から看護師や助産師を中心とした保健医療専門職の資質向上に向けた支援を行っています。これまで、看護師や助産師を養成する際の拠り所となる能力基準や保健医療専門職の資格制度設置のための国家戦略の策定支援、また、看護師や助産師を管轄する部署の保健行政機能強化に係る支援など実施してきました。今回、ラオスの保健医療分野では初めてとなる看護師国家試験や国家資格付与制度の創設を目指し、新たなプロジェクトを開始しました。その名も「持続可能な保健人材開発・質保証制度整備プロジェクト」です。

プロジェクト開始

2018年7月23日に開始されたプロジェクトは、ラオス保健省ヘルスケア・リハビリテーション局(DHR)と、同省に設置されている保健人材カウンシルを主な協力機関とし、5年間の活動を行う予定です。
ラオス側のプロジェクト最高責任者であるプロジェクトダイレクターは、DHR局長のDr. Bounnack氏です。同氏はJICAとの協働歴が長く、JICAや日本人との働き方などについても熟知されている方です。プロジェクトマネージャーは、保健人材カウンシル事務局長のDr. Thongsavanh氏で、今後の活躍が大いに期待されています。
日本側は長期専門家3名、現地スタッフ1名の計4名です。松原チーフアドバイザーは厚生労働省から派遣され、ラオス赴任2回目の大ベテラン。高島専門家は、JICA事業形態を熟知している精鋭専門家。そして保健人材開発に長く携わる田村専門家。それぞれの知見を集約し、ラオス初となる制度の立ち上げを目指し活動を開始しました。

新たな制度とは?

ラオス政府は、保健医療専門職の免許制度において、Initial License取得後に一定期間の臨床研修を課し、その後Full Licenseを取得するという2段階の免許制度の導入を目指しています。更にFull Licenseを取得したのち、5年毎に免許を更新する制度の導入を検討しています。
この大きなフレームワークの下、JICAは、ラオスの保健医療分野では初めてとなる看護師国家試験や免許付与制度の創設を支援します。まず必要とされるのが、保健人材養成校を卒業した学生を対象に実施される看護師国家試験を、免許取得のための正式な過程として位置付けるための規定の策定です。そして、この規定に基づき国家試験の実施を支援します。また、国家試験合格者および現職の保健医療専門職(主に医師、歯科医師、看護師、助産師の4職種)に対する免許付与および登録に必要な保健省の規定の策定に取り掛かります。
ラオス保健省は、保健医療人材の一定程度の質の確保に資するこの免許付与および更新制度をできるだけ早く取り入れるべく、日々活発な議論をするなど奮闘しています。

具体的な実施体制や時期などは、今後ラオス保健省が決定することになります。

最後に、このプロジェクトは2023年7月まで継続しますので、皆様のご支援方、よろしくお願い致します。

以上

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プロジェクトダイレクターへの表敬訪問(左からJICAラオス事務所青木企画調査員、田村専門家、高島専門家、松原チーフアドバイザーそしてDr.Bounnackプロジェクトダイレクター)

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プロジェクトマネージャーとの協議(左からMr.Moua日本側現地スタッフ、高島専門家、Dr.Nobphavanh保健人材カウンシル事務局員、Dr.Thongsavanhプロジェクトマネージャーそして松原チーフアドバイザー)

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松原チーフアドバイザーによるプロジェクト概要の説明(左からJICAラオス事務所保健担当現地スタッフ、松原チーフアドバイザー、高島専門家)

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保健人材カウンシル代表による組織概要説明(左からDr.Ponemek Dalaloy保健人材カウンシル代表(元保健大臣)、松原チーフアドバイザー、高島専門家、田村専門家)

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保健人材カウンシル看護助産委員会メンバーと共に

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小原保健政策アドバイザー同席のもと保健人材教育局と協議

【画像】免許取得までのイメージ(案)