第3回看護師・助産師国家試験が実施されました

2023年3月28日

持続可能な保健人材開発・質保証制度整備(DQHP)プロジェクトでは、医療従事者(特に看護師と助産師)の免許登録制度を確立すべく、その一環として、看護師・助産師国家試験の創設・実施を支援しています。

2月4~5日、第3回看護師・助産師国家試験が実施され、全国9カ所(首都ビエンチャン、ウドムサイ県、ルアンパバン県、シエンクワン県、ビエンチャン県、カムアン県、サバナケット県、サラワン県、チャンパサック県)の会場で、総勢618名の看護・助産学生が試験に挑みました。
試験中は、試験本部と各試験会場をオンラインで繋ぎ、本部からの確認が適宜行われる中で進められました。急な判断を要する事象もありましたが、試験本部と各会場に分散して統率力を発揮し、問題解決にあたるカウンターパートである保健人材カウンシルや看護助産委員会メンバーの様子が印象的でした。

開催に先立ち、昨年10月・12月には合計7日間にわたり、出題基準および国家試験問題作成のための技術作業部会が開催されました。出題基準が明瞭化されると共に、400問を超える多肢選択問題(MCQ)が修正・新規作成されました。その後、約1か月の集中準備期間を経て、看護師・助産師合計12科目480問の国家試験問題が完成に至りました。

試験終了後2月下旬には、日本で保健師助産師看護師国家試験委員長を務める森真喜子 国立看護大学校教授が、DQHPプロジェクトの国家試験アドバイザーとして約一週間ラオスに赴任されました。赴任中は、第3回国家試験の最新結果を踏まえ、国家試験問題の難易度や質を改善するための取り組みについて助言を頂きました。また、合否判定基準の考え方に関するワークショップを開催し、カウンターパートに対して、日本の国家試験の取り組みについて共有すると共に、ラオスの国家試験の今後の方向性について意見交換しました。

さらに、3月3日には合否判定会議が開催され、国家試験の合格基準が正式に承認されました。単純な数字として表れる試験結果の背景に、受験生一人一人の将来がかかった議論であり、難しい決断を迫られる場面もありました。国家試験の意義や目的に今一度立ち返り、議論を交わしました。

正式に承認された合格基準に基づき、3月14日には合格発表が行われました。国家試験の合格者はイニシャルライセンスを取得し、インターン研修に参加することになります。今後、看護の担い手としてラオス全国の保健医療施設に従事し、ラオスの人々の生命と健康の増進に貢献するとともに、未来の看護リーダーとしての役割も期待されています。

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技術作業部会の様子

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国家試験の様子1

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国家試験の様子2

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合否判定基準に関するワークショップでの森真喜子 国家試験アドバイザーによるプレゼンテーションの様子

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合否判定会議の全体集合写真