FCPF炭素基金からの成果支払いの実現に向けて、第三者機関による審査が始まりました

2023年5月9日

F-REDD 2との協力を通じて、ラオスは2022年12月に、森林炭素パートナーシップ基金(Forest Carbon Partnership Facility:FCPF)炭素基金に対して、排出削減プログラム実施の結果である「排出削減モニタリング報告書」を提出しました(注)。このたび2023年5月に、正式に第三者審査機関による審査プロセス(Validation and Verification process)が開始されました。

この審査プロセスは、ラオスが算定し、報告した排出削減量の正確性を厳格に審査するものです。算定方法はIPCCによる温室効果ガスインベントリ算定ガイドラインやREDD+向けのGFOI手法とガインダンスといった国際的な技術標準をベースに、炭素基金が設定する独自の要求事項を満たしていなければなりません。また、使用されているデータと算定結果には十分な透明性が求められ、第三者審査機関が同じ算定を再現できる必要があります。審査の完了まで最短で半年、国によっては1年以上を要しており、決して容易ではない道のりが予想されます。

この審査プロセスに対応するために、森林局はREDD+課や森林インベントリ計画課を中心としたチームを組み、F-REDD 2は全体調整役として、また技術的な中核として支援することになります。JICAは、F-REDD 2の前フェーズであるF-REDD以降、ラオスの排出削減プログラムを構想段階から一貫して支援してきました。その知見をフルに活かして全力で支援を続けます。

(注)FCPFとは、世界銀行が信託を受けて運営するREDD+基金。そのうち炭素基金(Carbon Fund)は世界18ヶ国に対して成果支払い基金を予定している。ラオスに関する情報はこちらから。

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森林面積の分析中
森林局職員同士の学びあいも進んでいます

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衛星画像を通じた分析結果を現地確認