算数ドリルを用いた子どもの放課後学習スタート!

2020年3月12日

マリみんなの学校プロジェクトでは、子どもたちの基礎学力の定着を目指した学校運営委員会(CGS)の活動を支援しています。JICA「みんなの学校プロジェクト」で開発された「算数ドリル」を活用した補習活動を実施することで、基礎的な計算能力の定着を目指す活動です。

1月より実施していた、現時点での子どもの算数学力を把握するプレテスト(2020年1月31日のプロジェクトニュースをご覧ください)の集計が終わり、テスト結果を保護者や地域住民と共有するための住民集会が開催されました。

1年生は入学したてのため点数が高くないのは当然ですが、2年生から4年生でも大半の子どもがごく単純な計算問題すら正解できていませんでした。算数は積み上げ型の学習と言われますが、基礎となる計算能力が確立されていないと、より難しい計算は解けません。ほとんどの生徒が、その学年に上がる前に身につけておくべき計算能力を身につけられていないということが明らかになりました。

住民集会では、テスト結果の集計と分析を行ったマリのNGOスタッフがこのことを説明したところ参加者の多くは大きなショックを受け、その原因を集会で話し合った結果、親が子どもの学習に無頓着で学校に任せきりであるケースが多いことが挙げられました。このような状況を改善するため、子どもたちが頼れる大人の助けを得て演習や復習などの自己学習をしっかり行なえるよう、算数ドリルを用いた放課後学習を学校運営委員会の活動として開始することが決定され、さっそく2月中旬からスタートしています(午後の授業がない水曜と木曜の放課後にそれぞれ2時間と、土曜の午前中3時間で週に合計7時間)。

この放課後学習は、地域のお兄さん・お姉さん、保護者などがボランティアで手助けします。地域ボランティアの皆さんが説明しているときは、普段学校で接している先生たちとは違うためか少々緊張気味の子どもたちもいましたが、一人ひとりにドリルが渡され、いよいよ自習学習が始まると、集中してドリルに取り組んでいました。1ページ終わるごとに地域ボランティアのところへドリルを持っていき、答え合わせをしてもらいます。全問正解するまで何度も繰り返すことで、基礎的な計算能力の定着を目指します。

2月下旬には、JICA本部やセネガル事務所からマリへ出張された方々にも放課後学習の様子を見ていただきました。学校によっては一つの教室に100人近く!子供たちがいる場合もあり、2人掛けの机に3人座って肌を寄せ合いながら学習する姿や、マリの子どもたちが躓くポイント、問題を解けた時の嬉しそうな表情、地域ボランティアの熱心な姿、こうした活動を支える学校運営委員会の様子について見て、現場の熱意を感じていただけました。

この取り組みが継続されるためには、地域ボランティアや子どもたちの頑張りだけではなく、保護者たちの意識が高まることも大切です。また、子どもたちがどこで躓いているか、地域ボランティアたちは担任の先生とも情報を交換し、先生が日々の授業を通じて困難を抱える子どもを重点的にサポートすることも期待されています。これから計画通りに、そしてどのようにこの取り組みが実施されているかモニタリングしていけるよう、プロジェクトでは引き続き支援を行っていきます。

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プレテスト結果の共有

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テスト結果に驚く保護者たち

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自分たちの子どもたちのために意義のある放課後学習の実施を、と発言する保護者

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教室を埋め尽くす学校関係者

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地域ボランティアの紹介

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ドリルが配られ、放課後学習がスタート!

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ドリルの表紙に自分の名前を書きます

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問題を説明する地域ボランティア

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一人ひとりの様子を見回り、支援する地域ボランティア

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真剣に取り組む様子

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自分の計算を確認しているのでしょうか?懸命に取り組んでいます

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全部正解しているかな?地域ボランティアのお兄さんに確認してもらいます

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保護者たちとの意見交換

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視察後のCGS関係者との振り返り