荒れる政情/粛々と行われる授業

2020年7月30日

マリでは新型コロナ感染拡大予防策として3月19日以降全ての学校が臨時休校となっていましたが、中学高校の最高学年のみ修了試験対策のため6月2日より授業が再開されました(先月のプロジェクトニュース参照)。今回は再開後の授業の様子についてお伝えしたいと思います。

その前に、現在のマリではコロナ禍に加え、もうひとつ懸念があることをお伝えします。

今年3月から4月にかけて、2013年以降約7年ぶりの国民議会選挙が実施されましたが、イブラヒム・ブバカル・ケイタ現大統領所属の与党が大きく議席を減らし政権の土台が揺らぐ中、現政権への国民の不満を追い風に、選挙結果への異議を唱え大統領の辞任を求める大規模な抗議行動が、野党勢力の扇動により全国で発生しています。7/10にバマコ市内で行われた大規模集会では負傷者が出たこともあり、7月中旬には近隣諸国の大統領からなるECOWAS調停団も現地入りし事態の鎮静化と政情安定化に乗り出しています。

こうした事態に、学校での授業再開への影響も懸念されましたが、現地報道によると大半の学校がきちんと授業を再開し粛々と続けています。7月16日には中学高校の9月中旬の修了試験日程も発表され、臨時休校の間に失われた学習機会を少しでも取り戻そうとする教育行政、そして教育現場の教育活動の継続への地道な努力がうかがえます。

プロジェクト活動についても、関係者の身に万が一のことがないよう、現地事情に詳しいカウンターパートやローカルNGOスタッフと密に連絡を取り情勢を慎重に見極めながら判断しています。今月下旬に開催を予定していた算数ドリルの第1回改訂・承認ワークショップも念のため延期し参加者の安全を十分に確保しつつ実施できるよう開催方法を再検討しています。引き続き、関係者の健康と安全を最優先しながら、柔軟にプロジェクト活動を進めていきます。

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モニタリング会合の様子(ジョイラ地域)計画した活動の達成状況の確認