パラグアイ共和国(以下、パラグアイ)の農牧業は、国内総生産の約3割、輸出総額の約4割を占め、全人口の約49%が農村部に居住するなど基幹産業となっている。一方、パラグアイの農村部における貧困率は、都市部の17.0%に比べ33.8%と高く、農業セクターは貧困削減にむけて重要な位置づけを有している。特に、所有面積20ha未満の小農が全農家数の86%を占めており、それら小農の生計向上に向けては、農牧業の生産性向上のみならず、加工・流通・販売も含めた農村地域の雇用創出が重要とされている。
また、コメが国内で加工・精米されて商品として輸出される数少ない農産物の一つであり、灌漑開発は、稲作…