保健計画策定ツール運用ガイドラインに関するオリエンテーションを開始しました

2021年2月24日

セネガル保健セクターでは、10カ年計画である「国家保健社会開発計画(PNDSS)2019-2028」が策定され、「ガバナンスと保健財政」、「サービス提供」、「社会保障」の3つの重点分野が定められています。PNDSSを3年ごとの中期計画に落とし込む計画文書として1)多年度支出計画文書(DPPD)があります。保健区や州、中央レベルの各機関は、現場の状況分析に基づき目標を設定し、その達成のために必要な取り組みと予算を申請するという「成果重視マネジメント」の考え方をふまえて、DPPDで設定された目標を達成するためのアウトプットと指標の目標値、予算、期間、責任者を毎年決定し、2)年間活動計画(PTA)を作成します。PTAが地域のニーズを適切に盛り込んだ計画とするため、PTA作成に先立ち、コミュニティレベルで、3)保健開発委員会(注)による「保健開発委員会活動計画(PACDS)」と4)地方自治体の「地方自治体年次保健社会活動計画(POCT-SAS)」を作成し、これら2計画の内容も組み込んで2)PTAを策定する手順となっています。

保健社会活動省計画調査統計局計画課(以下、保健省計画課)とプロジェクトで実施した現状調査から、保健セクターリフォームの動向、この1)から4)の4つの計画文書の関係性、策定スケジュールや策定方法などに関して、関係者の理解に大きなバラツキがあることや、新規に加わった3)PACDSについては、計画を作成する保健開発委員会メンバーの計画作成・運用能力強化の必要性などが確認されました。

この背景の下、2019年にPARSS2は4つの計画文書の作成、実施、モニタリング評価の一連のプロセスと作成方法を示した「保健計画策定ツール運用ガイドライン」を新たに開発するための技術支援を求められました。以降、保健省計画課と共に、計7回のガイドライン作成ワークショップを実施し、2019年11月には、ガイドライン運用開始の前に必要となる、保健社会活動省の技術的承認を得ました。2020年はCovid-19の影響を受け、同ガイドラインを用いたオリエンテーションなどの活動を実施できませんでしたが、2021年に入り、ガイドラインを使用したオリエンテーションを開始しました。まず、2021年1月19、20日に、「保健計画策定ツール運用ガイドラインに関する州レベルのオリエンテーション準備会合(講師養成研修)」を実施しました。セネガルの全14州の州医務局の保健計画担当者や関係者を集めて、研修計画の策定と31人の研修講師が養成されました。今後プロジェクトは、養成された研修講師と共に、PTA/DPPDコンポーネントの対象州であるカオラック州、ファティック州へのオリエンテーションの実施を支援します。残る12州でもこのガイドラインを用いたオリエンテーションの実施にむけて、他の開発パートナーと連携していく予定です。

(注)保健開発委員会については2019年10月21日付プロジェクトニュース参照

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セネガル保健セクターにおける計画策定フロー

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保健計画策定ツール運用ガイドライン

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保健計画策定ツール運用ガイドラインに関する州レベルのオリエンテーション準備会合(講師養成研修)