第2回鉄道需要予測ワーキンググループを開催しました

2022年4月1日

2022年3月4日、鉄道局(Department Rail Transport, DRT)は第2回鉄道需要予測ワーキンググループ(Working Group, WG)を開催しました。

第1回WGに引き続き、DRTコンサルタントのM-MAP2業務の進捗を共有し、タイと日本の学術有識者からアドバイスを得ることを目的に開催されました。今回もDRTの会議室と、オンライン参加のハイブリッド形式で開催し、日本側の学識経験者も全員参加いただくことができました。

会議では、DRTの副局長、Dr. Pichet KUNADHAMRAKSが議長を務め、DRTコンサルタントから、現状人口推計と将来予測手法(プロジェクトニュースNo.2参照)(注)と、M-MAP2調査における交通調査と需要予測モデルの進捗状況についての発表を行いました。学術有識者からは、鉄道利用の需要予測モデルの設定の仕方について、以下のようなアドバイスがありました。

・バンコクの交通行動の特徴が捉えられている必要がある。例えば、親の通勤前に、子供の送迎を行うような移動をどう捉えるのか。
・車両保有状況だけでなく、所得を考慮した需要予測モデルの構築が必要である。例えば、高所得者層は、鉄道を使わない傾向が強い。一方で、自家用車を持たない世帯でも、高所得であれば鉄道を使うが、低所得層はバスを使う傾向が強くなる。
・鉄道利用を促進する施策として、自家用車の利用を制限する施策、例えば、駐車政策の評価が必要である。

また、JICA専門家チームからは、COVID-19感染拡大後の、都市鉄道利用者数の変遷について発表を行いました。COVID-19の感染が拡大した直後は、外出制限や在宅勤務の推奨、学校の閉鎖等の感染拡大抑止策が取られたことから、都市鉄道の利用者は急減しました。その後、タイ国のCOVID-19の感染が落ち着いた時期は、利用者数が回復したものの、第二波、第三波、と、感染が再拡大するたびに、鉄道利用者数は減少し、その後の回復の度合いが徐々に弱まっていることが明らかになっています。DRTのPichet副局長からも、COVID-19拡大前は、毎日100万人以上の利用があったが、現在は、移動制限等の施策は全くないにもかかわらず、70万人程度に留まっているとの指摘がありました。

今回の会議での協議結果を踏まえて、バンコク首都圏の鉄道の政策課題を踏まえた需要予測モデルの設定、それに向けた調査の設計を進めています。

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DRT会議室での、副局長Dr. Pichet KUNADHAMRAKSによる開会の挨拶

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オンラインの参加者

【画像】COVID-19拡大後の鉄道利用者の推移