総合診療研修で習得すべき手技を学ぶ動画教材がマニュアルとして提供されました

2020年4月16日

プロジェクトでは、昨年4月より日本人専門家の助けも得ながら、オルホン県地域診断治療センターの指導医や看護師たち、またオルホン県公衆衛生局のカメラマンたちと協力し、総合診療研修で習得すべき手技を効率的に研修医が学ぶことができるように、動画教材を作成してきました(プロジェクトニュース2019年6月24日参照)。この教材は、完成するまでほぼ1年かかりましたが、保健省から正式に研修で用いられる補助教材として承認を受け、手元で活用できるようにマニュアルとして製本もされました(プロジェクトニュース2020年3月19日参照)。

この度完成した教材が、開発に関わったオルホン県RDTCの指導医や看護師たち、また研修医たちに供与されました(写真1)。この教材は、総合診療研修で習得することが定められている手技が網羅されていますが、マニュアルは写真付きで必要な物品や手技の各ステップが紹介さています。また各項目にQRコードがついており、スマートフォンをかざすとYouTubeに接続し、手技を動画で見ることもできます(写真2)。これにより、どこにいても同じ手順で手技を学ぶことができることができるようになります。

またモンゴルの標準的手技の手順書(Mongolian National Standards)に準拠して作成されていますし、多くの専門家に内容を吟味してもらっていますので、この教材を利用した研修医は、みなモンゴルで認められた標準的方法を学ぶことが可能となります。

地域の医療の質を向上させることが、私たちのプロジェクトの最大の目標です。多くの人たちが関わってできたこの教材が、プロジェクトの目標達成に寄与することが期待されます。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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写真1.オルホン県地域診断治療センターで総合診療研修を受ける研修医たちに供与されました。

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写真2.テキストには写真つきで解説がありますが(写真下半分)、付属するQRコードを活用すると動画で見ることもできます(写真上半分)