オンライン会議システムを利用して、医療者の接遇改善研修を実施しました

2020年5月15日

プロジェクトでは、モンゴル保健省からの要望に基づき、2018年末に医療者の接遇改善を目的とした研修の開発に取り組みました(プロジェクトニュース2018年11月8日、2019年2月19日など参照)。この研修は、すでにモンゴルのファシリテーターたちが何度も実施しており、300人以上の受講者がいます。2020年も保健省の予算を確保し、研修を継続して実施する予定でしたが、新型コロナウイルスの感染対策の一環で、研修を実施することができていませんでした。しかし5月になり、10人以下の人数で実施する研修は許可されましたので、今回オンライン会議システムを用いた研修を企画しました。

2020年5月14日、保健開発センターの会議室に講師が集まり、ウランバートル市内の5つの医療機関を結んで研修が開始されました。参加した医療機関は、保健開発センターから徒歩で行くことができる距離にある施設もありましたが、130kmほど離れたバガノール地区の地区病院からも参加者がありました。各施設の参加者は10人までとし、事前に配布資料は参加者たちに共有していました。既存のオンライン会議システムを用いましたので、参加者たちは各施設の会議室に集まり、受講しました。

当日、研修開始直後は画面切り替えなどでトラブルがありましたが、画像や音声には問題はなく、参加者たちは研修を受けることができました。講師の発表に合わせてスライド資料は画面で共有し、参加者の顔もテレビ画面で共有しながら研修を実施することができました(写真1、2)。グループワークやロールプレイは、各施設での実施となったため(写真3)、施設を超えての交流はできませんでしたが、本来の研修で提供される内容は網羅することができました。

実技実習を伴う救急関係の研修や研修のファシリテーションにスキルを必要とする指導医養成研修(TOT研修)は、講師が一箇所に滞在して情報を発信するだけでは、研修効果を十分にあげることは困難かもしれません。ただ、今回の研修でオンライン会議システムを利用することで、研修内容の共有や比較的簡単なグループワークは十分に実施できることがわかりました。今後予定されている他の研修においても、オンライン会議システムを活用したいと考えています。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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写真1.保健開発センターの会議室から講義を提供している様子

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写真2.各施設の参加者の様子はモニター画面で確認できました。(講師は右上)

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写真3.ロールプレイを行なっている様子。演習は各施設内で実施しましたが、他施設の参加者とも共有されました。